高槻市で誕生した「福バナナ」とは
高槻市の原地区で育てられた「福バナナ」が、2023年10月29日に市内店舗で販売され、初回販売分が3日間で完売するなど、注目を集めています。このバナナ栽培の背景には、障がい者の就労支援と農業振興を結びつけた農福連携の取り組みがあります。そんな独自の物語を探ります。
農福連携の取り組み
「福バナナ」は、株式会社ユニークのプロジェクトとして令和6年9月から始まりました。この会社は、障がいのある方々に農業を通じて自分の価値を見出し、充実した生きがいを提供することを目指しています。約40人の事業所利用者が協力し、167本のバナナの木を原地区の農園に植え付けました。
徹底した栽培管理
栽培には先進的な手法が取り入れられています。令和6年2月からは、土の入れ替えや手作りの暗渠を設置し、バナナの苗の植え付けが行われました。育った木は最高で7メートルにも成長し、やがて実を結ぶことになります。8月から本格的な収穫がスタートし、「福バナナ」のおいしさを引き出すため、エチレンガスを活用した追熟作業も行われました。
「福バナナ」の特長
「福バナナ」は、農薬や化学肥料を一切使用していないため、皮ごと食べられることが特色です。収穫されたバナナは、甘くふくよかな香りを持っています。初回販売では約30本が投入され、すぐに売り切れる人気ぶり。今後は、20本から30本単位で継続的に販売される予定です。
利用者の喜びと今後の展望
このプロジェクトをリードする松田和也さんは、作業を共にしてきた事業所利用者の喜びを語ります。「「福バナナ」が店頭に並んだことを皆が本当に喜んでいます。手に取っていただける方々には、『福がおとずれますように』という思いで育てていますので、ぜひ一度味わってほしいです」と語る松田さんの言葉には、誇りと愛情がこもっています。
高槻市から生まれた「福バナナ」は、ただの農作物ではありません。地域の絆や希望が詰まったバナナとなって、さらに多くの人々に愛されていくことでしょう。この取り組みは、障がい者支援の新たなモデルケースとしても注目されています。今後の展開から目が離せません!