発達特性を武器にする時代
近年、発達特性を持つ人々に対する支援の重要性が高まっています。中でも、明蓬館高等学校が新設したプログラミング学習の専門センター「CONEC」は、その取り組みの一環として注目されています。このセンターは、発達に特性のある生徒たちが、プログラミングを通じて自分の可能性を広げるための場所として機能しています。
新たな学びの場の背景
発達障害とプログラミングの関連性についての研究が進む中、明蓬館高等学校では、シリコンバレー症候群を含めた先進的な視点から発達障害の特性を見直しています。特に、プログラミングやゲームに対する興味を持つ生徒たちに焦点を当て、彼らが持つ独自の発想や視点を育むための学びの環境を整えてきました。実際に、昨年からはSONYのKOOVを使用したプログラミング学習や3Dプリンタを使った表現活動が行われています。
また、経済産業省の「未来の教室」事業と連携し、「エシカルハッカー養成講座」も開講されており、興味を持つ生徒たちが多様なプログラミング技術を学んでいます。これにより、生徒たちは自らの特性を生かし、新たな課題解決の意欲を高めることができています。
CONECの設立とプログラム内容
2021年度よりスタートした「CONEC」では、プログラミングの専門的な学習を行うための3つの専科が設けられています。まずは、日常の課題を解決する技術を身に着ける「課題解決型コーダー専科」、次に自身の特技を生かしてウェブデザインを学ぶ「創造発展型コーダー専科」、そして、実際の業務に携わりながらキャリアを築く「企業連携型コーダー専科」です。これらの専科はいずれも、理論だけでなく実践的な経験を得られるように組まれています。
特に重要なのは、どの専科にも倫理的なハッカーを養成する特別講座が設けられている点です。これは、IoTやAI社会の進展に伴って増加する情報セキュリティの需要に応えるための教育です。
複合的なサポート体制
CONECでは、教員、支援員、心理相談員が連携し、生徒一人ひとりをサポートします。この三位一体の体制により、生徒ごとの特性や目標に基づいた個別の教育支援計画が策定され、効果的な学びを提供します。また、ピア・ラーニング手法を導入し、生徒同士が互いに助け合いながら学び合う環境を整えています。
今後の展望
初年度の活動は主にアプリ開発やウェブデザインに焦点を当てていますが、次年度以降は生徒たちの多様な興味に応じたプログラムの展開が期待されています。CONECでは、学びのステージをビギナーからアドバンスまで設け、それぞれの生徒が安心して自分に合ったペースで学べるよう配慮されています。
参加の呼びかけ
プログラミングに興味があるが学ぶ機会に恵まれなかった生徒たち、あるいは学びに困難を抱えている生徒たちにとって、CONECは新たな学びの扉を開く場所です。専門的な指導と支援を通じて、彼らの未来を少しでも明るくできることを目指しています。興味がある方は、新たな学びの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
関連情報
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