三重県明和町でのサステナブルツーリズム研修が成果を上げる

三重県明和町で開催されたサステナブルツーリズム研修

三重県明和町において、一般社団法人明和観光商社が主催するサステナブルツーリズム研修が、1月30日から2月1日の3日間にわたって開催されました。この研修は、国際的な持続可能な観光の基準であるGSTCに基づくトレーニングプログラムであり、地域における持続可能な観光地域の構築を学ぶ場として重要な役割を果たしました。約20名の参加者が、町内の事業者や学生、さらには他地域からも集まり、サステナブルな観光への理解を深めました。

サステナブルな旅ニーズの高まり

現在、世界の76％の旅行者がサステナブルな旅行を希望しているという調査結果があります。観光業においても、環境への配慮や地域社会への貢献が求められる時代となっています。日本でも、2020年に観光庁が策定した「日本版持続可能な観光ガイドライン」に基づき、地域や旅行会社が認証制度を導入し、訪問者に持続可能性を重視した旅行先を提供する取り組みが進められています。

ただし、日本国内においては、サステナブルな旅を望む人の割合は53％であり、世界との意識の差が見えてきます。明和町が取り組むこの研修は、こうした意識を変えるための一歩となるでしょう。

研修内容：持続可能な観光を体系的に学ぶ

研修の中では、GSTCの指標に基づいて持続可能な観光の原則が学ばれました。具体的には、持続可能なマネジメント、社会経済・文化的・環境的サステナビリティの各側面から具体的な取り組み方が提示され、観光業が地域に与える影響を考慮することの重要性が強調されました。文化や自然環境、地域住民の暮らしを意識し、その質を保ちつつ観光資源を管理することが求められます。

フィールドワークでの実地体験

研修の最終日には、参加者が実際に現場を訪れるフィールドワークが行われました。「斎王の庭・空と風のお花ばたけ」や「竹神社」など、地域のサステナブルな取り組みを知ることができました。ここでは、文化財を守る体制や、地域住民がどのように参画しているか、環境への配慮がなされているかを確認しました。これらの経験を通し、持続可能な観光とは何か、さらなる発展に向けて考える機会となりました。

今後の取り組みと国際認証の目指すべき未来

今後、明和町は持続可能な観光地域づくりを進め、国際認証の取得を目指します。観光によって地域の文化財や自然をより良い形で保護し、魅力的な観光地として認知されることが期待されています。GSTC指標に基づくGreen Destinationsなどの認証取得を通じて、地域の持続可能性を考慮した観光振興に努める方針です。