オオムギの新発見
2025-08-06 23:49:35

オオムギのアルミ耐性を解明した岡山大学の新たな発見

岡山大学の研究チームが、オオムギに冒されるアルミニウムの問題を解決する手がかりを見出しました。オオムギは酸性土壌での生育が難しい作物ですが、一部の品種はクエン酸を根から分泌する能力を持っています。このクエン酸輸送体、AACT1タンパク質の立体構造を初めて解明した研究成果が、2025年8月5日付の「Proceedings of the National Academy of Sciences」に発表されています。

オオムギの根は、酸性土壌のアルミニウムから植物を守るために、クエン酸を放出する特性を持っています。これは植物が進化の過程で獲得してきたアダプテーションの一つです。しかし、AACT1の詳細な構造はこれまで不明でした。研究チームは、異分野基礎科学研究所の菅倫寛教授を筆頭に、資源植物科学研究所の馬建鋒教授や三谷奈見季准教授、そして留学生のチャン・グエン・タオさんが協力し、5年の歳月をかけてその構造の解明に成功しました。

この発見により、AACT1がどのようにしてクエン酸を輸送し、アルミニウムに対する耐性を強めるのか、その メカニズムが初めて明らかになりました。この研究結果は、安定的に収穫可能な作物の開発に寄与する可能性があり、農業界にとって朗報です。特に、現在の環境問題に直面している農業において、酸性土壌での作物の生育を助ける新たな手法の開発が期待されています。

菅教授はこの研究成果について、「AACT1の構造は、植物のアルミニウム耐性を理解する上での重要な一歩だ」と述べました。彼はさらに、「これにより、より健全に育つ作物を開発し、農業の持続可能性を向上させる可能性がある」と期待を寄せています。

岡山大学は、地域と地球の未来を共創する研究大学として進化を続けています。この研究は、その意義を示す一例であり、今後の植物科学研究の進展がますます期待されます。AACT1タンパク質の研究を通じて、持続可能な農業へとつながる新しい道が開かれるかもしれません。

この成果は、日本学術振興会やJSTなどの支援を受けて実施されており、岡山大学が地域とともに持続可能な発展を目指していることがうかがえます。研究がこれからも続くことで、農業や食料生産における深い問題に対する解決策が提供されることが期待されます。プレスリリースを通じて詳細を追っていきたいと思います。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

関連リンク

サードペディア百科事典: 岡山県 岡山市 岡山大学 オオムギ AACT1

Wiki3: 岡山県 岡山市 岡山大学 オオムギ AACT1

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。