ケージフリー卵:世界の現状
2022-11-17 12:00:01

世界で進むケージフリー卵への取り組み:CIWFが「エッグトラック・レポート」を公開、日本の状況は?

世界で加速するケージフリー卵への取り組み:CIWFが「エッグトラック・レポート」を公開



動物福祉を目的とする国際的な非営利団体であるCIWF(Compassion in World Farming)は、企業におけるケージフリー卵への取り組み状況をまとめたレポート「エッグトラック・レポート」を公開しました。

レポートによると、CIWFが調査している232社のうち、75.4%にあたる175社がケージフリーエッグへの取り組みを行っており、2021年の71%から増加しています。さらに、ケージフリーエッグを使用していると報告した企業の割合は、一般的な調査でも2021年の55.2%から7.9%増加し、63.1%に達しました。

これらの数字は、ケージフリー卵が世界の食品業界で急速に主流になりつつあることを示しています。特に、ダノンなどグローバルな事業展開を行う企業では、使用する卵の100%をケージフリーにする目標を達成した企業も増えています。

日本のケージフリー化は遅れ気味、消費者意識は向上



一方で、日本ではケージフリー飼育への移行は遅れています。飼育密度に関する規制がなく、バタリーケージやクチバシの切断、断食による強制換羽などの劣悪な飼育方法が一般的です。2020年の時点で、国内の養鶏場の92%でバタリーケージが使われ、国内で販売される卵の99%がこれらの劣悪な環境で生産されています。

しかし、消費者の間では、ケージフリーエッグや平飼い卵への関心が高まっています。アニマルライツセンターが2019年に行った調査によると、平飼い卵は国内スーパーの51%で販売されており、2015年の22%から2倍以上に増加しています。

今後の展望:コンビネーションシステムへの懸念と課題



CIWFは、企業が「コンビネーション」や「リミテッドアクセス」などのケージシステムに妥協しないよう呼びかけています。これらのシステムは、鶏の行動を制限するため、ケージ飼育の代替手段とはならないとCIWFは主張しています。

また、加工食品にも大量の卵が使われていることから、CIWFは2023年の「エッグトラック・レポート」で、初めて卵由来の原料を含む加工品の調査を行う予定です。

企業はケージフリーへの取り組みを加速させる必要がある



CIWFは、企業がサプライヤーと協力し、ケージフリーを実現できるバリューチェーンを構築していくことを求めています。ケージフリーへの投資は消費者と企業のニーズに応える賢明な選択であり、今後もグローバルトレンドとして続いていくでしょう。

日本の現状と課題



日本のケージフリー化は、世界に比べて遅れをとっています。しかし、消費者の意識は高まっており、平飼い卵の販売も増加しています。企業は、消費者のニーズに応えるため、サプライヤーと協力し、ケージフリーへの取り組みを加速させる必要があります。

グッドエッグ・アワード:ケージフリーへの取り組みを称える



CIWFは、ケージフリーへの取り組みを促進するため、グッドエッグ・アワードを設立しました。2022年には、名古屋の「旬楽膳」が日本初となるグッドエッグ・アワードを受賞しました。

まとめ



世界で進むケージフリー卵への取り組みは、日本の企業にとっても大きな課題であり、同時に大きなチャンスです。消費者の意識は高まっており、企業はケージフリーへの取り組みを加速させることで、社会貢献と同時にビジネスの成長を実現することができます。

会社情報

会社名
Compassion in World Farming
住所
United Kingdom Surrey GU7 1EZGodalming, River Court, Mill Lane
電話番号

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