Z世代の就活生が求めるSNS活用術とは?
株式会社No Companyが2023年6月から2024年3月にかけて行った調査により、25卒とされる就活生のSNS利用状況が浮き彫りとなりました。この調査は、就職活動の「情報収集期」と「意思決定期」という二つの異なる時期に、それぞれの就活生がSNSをどのように活用しているのかを明らかにするものです。
SNS利用の変化
調査によると、就活生がSNSを通じて情報を集める頻度が「意思決定期」に入ると大きく増加しました。具体的には、就職活動において「SNSで情報収集をする」と答えた学生が情報収集期に比べ6.3ポイント増加しました。また、企業情報をSNSで検索する動きも3.6ポイント増えており、Z世代はこの期間にSNSをより多く活用するようになっていることが分かりました。
SNSが選考や内定承諾に与える影響
さらに、SNSを通じて得た情報が就職活動に与える影響に関する設問においては、約半数のZ世代がSNSでの発信を通じて特定の企業に興味を持ったと回答しました。このデータは「情報収集期」で53.5%、そして「意思決定期」でも50.8%と高い支持を得ています。
また、SNSから得た情報が選考や内定の意向にポジティブな影響を与えたとする割合は、意思決定期の調査において約8割に達し、「非常に上がった」「やや上がった」との回答が寄せられています。これは情報収集期の結果と比較して14.9ポイントの増加を示しており、SNSの重要性が浮き彫りとなりました。
求職活動における情報発信のニーズ
求職者たちは、自分たちが普段利用しているSNSプラットフォームで採用情報を得たいと考えています。「情報収集期」と「意思決定期」の調査結果を比べると、いずれの時期においても「X(旧Twitter)」「YouTube」「Instagram」「LINE」が主なメディアとして挙がっています。企業は就活情報を、求人ナビサイトよりも普段使うSNSで発信することが求められているのです。
情報のフォーマットへの好み
情報フォーマットについての意見も注目すべき点です。企業は、具体的にどのような形で情報を伝えてほしいかという問いに対し、両期間共に「視覚的に見やすくまとめられた画像」がトップに選ばれました。しかし、情報収集期にはカジュアルな動画(44.8%)が好まれた一方、意思決定期では詳細な文字情報の記事(42.4%)が求められました。これは、時期によって求められる情報の深さが変わることを示しており、前者は手軽さを求め、後者は慎重な選択を志向していることが伺えます。
福利厚生への関心
また、「福利厚生」に関する情報は意思決定期においてニーズが上昇し、これは学生が入社を決める前に確認したい重要事項であることが反映されています。
まとめ
就職活動におけるSNSの活用は、情報収集と意思決定の二つの段階で異なる戦略が求められます。企業はこの調査結果を参考に、時期ごとの就活生のニーズに応じた情報提供を行い、理解しやすいフォーマットで情報発信を行うことが、今後の就活市場において成功のカギを握るでしょう。
この調査を通じて、企業の採用戦略と広報活動への新たな示唆を得ていただければ幸いです。
調査概要
- - 調査時期:2023年6月8日〜6月15日、2024年3月5日〜3月12日
- - 調査方法:インターネット調査
- - 対象エリア:日本全国
- - 調査対象:19歳〜22歳の就職活動をしている大学生
- - 有効回答数:(23年6月調査)241人、(24年3月調査)250人
この調査が企業の採用活動において役立つことを願っています。