アジア初の女性ウェルビーイングスタートアップ投資
NEXTBLUE2号有限責任事業組合が、米国初のFDA承認を目指す子宮頸がん自宅検査機器を開発するスタートアップ、Teal Health社に出資しました。日本国内での女性のウェルビーイング分野に特化したこのファンドは、女性たちの健康を支援する新たなプラットフォームを築くことを目指しています。
Teal Healthの取り組み
Teal Healthは、$10Mの資金調達を実現し、この資金をもとに国内での事業展開を計画中です。FDAの承認を受けた後には、日本市場への進出を視野に入れ、NEXTBLUE2号ファンドは、日本の医療機関や企業との連携を支援していく方針です。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が主な原因とされており、感染が続くとがんに進行する可能性があります。しかし、早期発見が可能であり、定期的な検診が重要です。日本ではワクチン接種に関する取り組みが遅れていることが課題で、子宮頸がんの罹患率が増加傾向にある現状です。
自宅検査の利点
米国では25%以上の女性が定期検診を受けていない現実があり、医療機関へのアクセスやプライバシーに関する懸念がその理由とされています。Teal Healthが提供する自宅での自己採取スクリーニングは、こうした課題に対する解決策を提示します。
2024年にTeal Healthが実施した臨床試験では、94%の女性が従来の医療機関での検査よりも自宅での採取を好むという結果が得られました。これは、スクリーニングの率を向上させるための新たな一歩と言えます。自宅での検査により、女性たちがより簡単にスクリーニングを受けることが可能になるのです。
日本での展望
日本においては、子宮頸がん検診の受診率が低いことが深刻な問題です。特に20代の受診率は26.5%という低さで、早期発見に向けた対策が求められています。調査によれば、女性たちが検診を避ける理由には「痛み」や「恥ずかしさ」が大きく影響しているとのこと。Teal Healthの技術は、こうした心理的なハードルを解消し、検診率を向上させる可能性を秘めています。
NEXTBLUE2号ファンドは、Teal Healthが米国市場での事業展開を成功させた後、日本市場への導入を図り、国内の健康問題に対する解決策を提供していくことを期待しています。
まとめ
女性の健康支援を目的とするNEXTBLUE2号ファンドとTeal Healthのコラボレーションは、アジア初の重要なステップです。思春期から高齢者まで、全ての女性にとって大切な子宮頸がんの早期発見を目指し、今後の展開に注目が集まります。次世代の健康管理の在り方を見据え、取り組みを進める両者の未来が期待されます。