宇宙技術を応用した新たな医療ソリューション
2025年11月1日、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)に由来するスタートアップ、
株式会社ツインカプセラが、インド・ムンバイに拠点を置く
IWANA Consultancy Solutions Pvt. Ltd.と共同で新たな医療輸送ソリューションの開発に向けた覚書(MoU)を締結しました。この取り組みは、インドの医療分野における保冷輸送の課題を解決することを目指しています。
MoU締結の背景
上述のMoUは、ツインカプセラが開発した、宇宙技術由来の
「BAMBOO SHELLter(バンブーシェルター)」を活用することを目的としています。特にインドは、人口の多さと急速な経済成長により医療サービスへの需要が高まっています。また、治療や検査においては温度管理が極めて重要であり、将来的にもこの需要の増加が予想されています。
さらに、インド特有の厳しい気温環境と、現状の保冷輸送インフラに課題があることから、バンブーシェルターはその優れた特性で解決策となり得ると期待されています。実際、この保冷容器は小型ながら、電源を使わずに長期間にわたり温度を保持することが可能です。
BAMBOO SHELLterの特長
ツインカプセラは、
JAXAのHTV搭載小型回収カプセルから発展した断熱保冷技術を実用化した製品です。バンブーシェルターは、その名の通り竹のようなスリムな形状を持っており、運搬が簡易で、温度維持性能も高くなっています。特に、3日以上、性能によっては7日以上も高い保冷効率を実現するのは、医療機関にとって非常に効果的です。
今後の展開
今後、ツインカプセラとIWANA社は、インドにおける市場調査や、病院や研究機関との連携による共同プロジェクトの実施を進める意向です。これにより、インド国内での保冷輸送に関するニーズを具体的に探求し、最適な運用モデルの構築を目指します。また、展示会などでのプロモーション活動を共に推進し、インド市場への浸透を図ります。
ツインカプセラは、インドでの経験や知見を国内にフィードバックし、日本でも高品質な保冷輸送を提供する計画を立てています。
関係者のコメント
この新しい提携について、ツインカプセラの宮崎社長は、「インドの医療環境の厳しさを認識し、バンブーシェルターがその真価を発揮することを確信しています」と述べ、IWANA社のIvan J. D’Souza CEOも「日本の技術を用いて、アジアの医療市場に革新をもたらすことに大きな意義を感じます」と語っています。
まとめ
宇宙開発の成果が、実際の医療現場での課題解決につながる新たな可能性を秘めたこのプロジェクトは、今後も注目を集めるでしょう。インド市場への進出を果たし、国際的な連携が進むことで、医療輸送の質が向上し、より良い医療サービスの提供につながることを期待しています。