東南アジア圏における従業員エンゲージメント調査結果(2024年)
株式会社リンクアンドモチベーションがリリースした従業員エンゲージメントに関する2024年の調査結果についてお伝えします。近年、日本企業の東南アジア進出が加速しており、特にASEAN加盟国への進出が増えています。この背景には、東南アジアの各国が成熟した市場として成長し、経済が発展していることがあります。
調査の背景
日本企業は、東南アジア市場の魅力を見出し、約16,000社がASEANに進出しています。これは外務省が行った「海外進出日系企業拠点数調査」にも見られ、特にベトナムやフィリピン、タイ、シンガポール、インドネシアなどに注目が集まります。こうした状況を受けて、当社は現地法人への支援を強化するため、東南アジアの4ヵ国に新たに子会社を設立し、2025年からの営業開始を計画しています。
これに寄与するため、従業員エンゲージメントの違いに着目しました。国によって文化や労働観が異なるため、どのようにエンゲージメントを向上させるかが鍵となります。
調査概要
調査は株式会社リンクアンドモチベーションのモチベーションエンジニアリング研究所によって実施されました。対象となるのは2024年8月までに従業員エンゲージメントサーベイを実施した企業の現地組織で、各国に数十から数千の組織数が存在します。分析は、16の領域における期待度と満足度を比較し、国ごとの傾向を明らかにしました。
調査結果
各国のエンゲージメント傾向
- - ベトナム: 職場環境には満足しているものの、待遇には不安を持っており、会社の安定性や知識の共有に対する期待感が低い。
- - フィリピン: 顧客志向が強いが、待遇面での不満が目立ち、特に会社の安定性や上司のマネジメントに対して期待が低い。
- - タイ: 顧客志向で風通しが良いが、やはり会社の安定性に課題意識を持ち、事業戦略への期待感が低い。
- - シンガポール: 労働環境には満足しているものの、業務や待遇に課題意識を持っており、知識の共有への期待が低い。
- - インドネシア: 職場環境への満足度は高いが、会社の安定性やマネジメントへの期待感が少ない。
- - 日本: 職場の一体感や上司のマネジメントには満足しているものの、環境要因や風通しの良さには課題意識を持つ。
今後の動向と課題
この調査を通じて、東南アジアの各国におけるエンゲージメントの傾向を把握しました。日本企業がこれから国際的に展開する際は、文化や商習慣の違いを理解し、各国のエンゲージメント状況に応じた適切な施策を展開することが求められます。今回の調査結果はその第一歩と言えるでしょう。
今後もデータ数が増加していく見込みで、さらなる調査を続けていく予定です。職場環境や従業員のエンゲージメントの向上に向けた取り組みが、企業と従業員の関係を深める重要な鍵となるでしょう。
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