2025年11月のM&A動向に迫る
2025年11月のM&A統計によると、前年同月比でM&A件数は12件減の110件、取引金額は3903億円と約7割も減少したことが明らかとなりました。特に、1000億円を超える大規模な案件がなかったことが金額減少の主な要因です。しかし、件数自体は100件を4カ月連続で上回っており、取引は依然として活発であると言えるでしょう。この情報は、上場企業の経営権移転に関するデータを基に、M&A Online編集部がまとめています。
フォーラムエンジニアリングとスター精密のTOB
11月のM&Aの中で注目を集めたのは、技術者派遣のフォーラムエンジニアリングに対する米国投資ファンドKKRによるTOBです。このTOBは874億円の買付額となり、エンジニア不足に対応するためのマーケティング投資やテクノロジーの導入を見越したもので、企業の成長を図るための最善策として評価されています。
また、スター精密も注目される案件に名を連ねており、米系投資ファンドのタイヨウ・パシフィック・パートナーズと共にTOBを行い、非公開化を目指しています。スター精密は海外販売が全体の9割を占め、より効率的な販売体制の構築や海外事業の再編を進めるため、事業構造の転換を図ることを決定しました。
物流および眼鏡業界の再編
さらに、物流業界でも再編の動きが見られます。センコーグループホールディングスによる丸運へのTOBや、安田倉庫が帝人物流を子会社化するなどの案件が報告されている。このような動きは、トラックドライバーの不足が続く物流の2024年問題を背景としており、人材確保を目的としたM&Aが盛んに行われています。
眼鏡業界では、パリミキホールディングスがMBO(経営陣による買収)を発表し、出店戦略や海外店舗の見直しを進める姿勢を明らかにしました。業界では昨年9月にインターメスティックがメガネスーパーのビジョナリーホールディングスを子会社化したことで、売り上げ面でインターメスティックが業界3位に浮上するなど、再編の動きが加速しています。パリミキホールディングスは構造改革に着手する意向を示し、これにより業界全体の再編が進む可能性が高まっています。
M&A Onlineの役割
M&A Onlineは、企業の合併や買収について広く理解を深めるためのメディアとして、2025年7月にロールアウトから10周年を迎えました。社会的な課題となっている後継者問題の解消や、日本経済のイノベーションの実現に向けた情報発信を行っています。M&Aに関心を持っている方々にとって、非常に価値あるプラットフォームです。
運営会社である株式会社ストライクは、東京都千代田区大手町に拠点を置いており、M&A仲介業務を通じて様々な企業の課題解決をサポートしています。東京での起業や新たなビジネスチャンスを模索している方々にとって、M&A Onlineや株式会社ストライクは貴重な情報源となるでしょう。これからのM&A市場の動向に注目です。