企業のリスキリング施策の最新実態と成功事例を探る2025年版
パーソルイノベーション株式会社が実施した『Reskilling Camp』に関する定期調査が行われ、2025年版の結果が発表されました。この調査では、リスキリング施策の現状や、企業が直面する課題、成功事例などが明らかになりました。「はたらいて、笑おう。」がビジョンの同社は、全国の企業を対象に四半期ごとにリスキリング施策の実態を追跡しています。
リスキリング施策の実施状況
今回の調査結果では、全体の約40%の企業がリスキリング施策を実施したと回答しており、その中でも特に大企業では63.3%と高い結果が出ています。一方で中小企業では33.4%と、企業規模によって実施率の差が見られます。特に製造業においては61.8%が実施している傾向があります。
重視されるスキル
リスキリングを行う企業が重視しているスキルの上位は、1位が「データ活用」、2位が「AI活用」、3位が「セキュリティ」となっており、今後の業務に必要なスキルとして明確に位置づけられています。特にAIの活用が重視されていることから企業がデジタルトランスフォーメーションを進める上での重要な要素となっています。
成果の実感と失敗事例
リスキリング施策を取り入れた企業の70%以上が施策の成果を実感したとのことで、うち約12.4%は「大きな成果があった」と回答しています。しかし、失敗事例も見逃せません。調査によれば、最も多くの企業が「従業員任せになり、成果に繋がらなかった」という問題を抱えていることが明らかになりました。
生成AIの業務活用状況
興味深いことに、約半数の企業が1週間に1回以上生成AIを業務で活用しているとのこと。しかし、その一方で具体的な活用課題も明らかになっています。検索エンジンのように使っているとの回答が45%を占めており、実用的な効果を実感できていない現状があります。業務プロセスへの組み込み方がわからないという点も、今後の課題として挙げられています。
報酬の変化
リスキリング施策に取り組んだ結果、70%以上の受講者が月額報酬がアップしたと報告しており、中には5万円以上の増額を得た方もいます。これはリスキリングがスキルだけでなく、経済的な側面にも良い影響を与えていることを示しています。
まとめ
この調査は、企業がリスキリング施策を実施する上での実態を把握するための重要なデータを提供しています。パーソルイノベーションの柿内代表は、リスキリングの実施が企業変革の鍵であると述べています。リスキリング施策の戦略的な設計と実施を通じて、企業の成長が促進されることを期待しています。