次世代エタノール製造に向けた新たな一歩
コスモエネルギーホールディングス株式会社(以下、コスモエネルギー)と株式会社CO2資源化研究所(以下、UCDI)は、CO2をエタノールに変換する新たな技術に関する共同研究を開始しました。本取り組みは、エタノールの需要が高まる中で、持続可能な製造方法を模索する重要なステップと位置づけられています。
エタノールは多様な用途を持つ重要な物質であり、ガソリンの代替燃料や、バイオジェット燃料、さらには石油化学製品の原料として利用されています。そのため、カーボンニュートラル社会への移行においても期待されています。しかしながら、食料作物から生産されるエタノールには、食料と競合する問題や生産効率の限界があり、供給が急速に増加する需要に応えられない懸念も指摘されています。
この問題を解決するため、UCDIは独自技術「UCDI®水素菌」を開発しました。この水素菌は、CO2と水素を原料としてエタノールを生産する能力を持ち、食料を使用しない大量生産が可能になります。これにより、CO2の排出削減とバイオ燃料の同時製造が期待されているのです。
従来のCO2変換技術では、排ガス中の不純物を除去し、CO2や水素の濃度を高める必要がありました。そのため、コストとエネルギーの面で多大な負担がかかっていました。しかし、今回の共同研究では、これらの不純物を含むCO2や水素を直接使用する技術の開発に取り組むことで、製造コストの削減に貢献することを目指します。これにより、経済的に実現可能なエタノールの供給が期待されるのです。
コスモエネルギーは、「2050年カーボンネットゼロ」の実現に向け、脱炭素化を推進しています。本共同研究は、Vision2030に基づき「石油事業の競争力強化および低炭素化」を進めるための具体的な施策の一環です。また、CO2資源化研究所は「Turn CO₂ into Happiness」をスローガンに掲げ、CO2を原料とした様々な製品の製造に取り組んでおり、食糧問題や地球温暖化対策に向けた革新的な技術の開発を進めています。
持続可能な燃料と化学品の供給可能性について検討を進める中で、コスモエネルギーとUCDIはサステナブル製品としての次世代エタノールの実現を目指します。両社の共同研究が進展することで、よりクリーンで持続可能な未来が切り開かれることが期待されています。これからの技術の進化に注目が集まります。