VIAVI Solutions Inc.とローデ・シュワルツが共同開発した非地上系ネットワーク(NTN)のテストベッドが、スカパーJSAT株式会社が発表した「Universal NTNイノベーションラボ」に採用されました。このNTNラボは2024年11月に横浜衛星管制センターに開設され、スカパーJSAT社は衛星通信のパイオニアとして、アジア最大の衛星通信事業者としてその実力を発揮しています。
NTNラボでは、NTN技術の試験を行うための設備が整えられており、特に「Universal NTN」の実現を目指す試験拠点になります。この新しい概念では、粘り強く信頼性の高い接続性を提供できることが重要視されており、GEO(対地同期軌道)および非GEO衛星、さらには高度プラットフォームステーション(HAPS)を通じて最適な通信のルートを自動的に選択する技術が導入されています。
特に、一緒に開発したNTNテストベッドは、低軌道(LEO)、中軌道(MEO)、およびGEO衛星をカバーし、エンド・ツー・エンドの接続性と性能検証に役立つための構成がなされています。これには、ユーザー機器を使ってさまざまなサービスの品質を測定したり、衛星とユーザー間の距離、速度、動きの影響を評価したりすることが含まれます。具体的には、VIAVI TM500-AS2、R&S CMX500、VIAVI TeraVM Real Data Applications(RDA)エンジンといった先進的なテスト機器が活用されます。
NTNラボでの最初のテストは、Kuバンドで運用されるGEO衛星を対象とし、大容量かつ広帯域の通信技術に焦点を当てています。この試みを通じて、5G NTN技術を探求し、衛星通信を利用した新しい通信手法の開発に寄与することが目指されています。
スカパーJSAT社の八木橋宏之氏は、「日本初の静止衛星を用いた5G NTNの実証実験をパートナーと共に開始できることを嬉しく思います」と述べ、技術の実証とユースケース開発の重要性に期待を寄せています。これにより、NTN事業の商業化が加速し、信頼性の高い接続を提供できる見込みです。
同様に、VIAVI社のJonus Chen氏やローデ・シュワルツのAlexander Pabst氏もそれぞれ、今回の取り組みが衛星通信技術の進展とその商業化に大きく寄与することを強調しています。特にローデ・シュワルツは、「NTN技術のテストを通じ、シームレスかつ高品質な接続性の実現に向けたコミットメントを示すチャンス」であるとしています。
最後に、スカパーJSAT社、VIAVI社、ローデ・シュワルツの共同開発によるNTNラボは、これからの通信技術のあり方に革命をもたらし、より良い接続社会の実現を目指していくことでしょう。今後の動きに注目が集まります。