角田光代の新作『神さまショッピング』、信じる心に寄り添う物語とは

角田光代の新たな挑戦『神さまショッピング』

2023年9月25日、著名な作家、角田光代の最新小説集『神さまショッピング』がついに発売された。この作品は世界中の聖地を巡る角田氏の体験を基に、人々の「信じる」という心に焦点を当てた短篇集となっている。特に、現代社会で多くの人が抱える買い物心や欲求の中で、何かにすがりたいという思いがどのように表現されているのかが見どころの一つだ。

聖地の旅と人々の願い

角田は、自身が訪れた神秘的な場所や特別な意味を持つ神社、寺院を通じて、彼女なりの「信じる心」を伝えることを意図している。彼女の言葉を借りれば、「神さまは人々の俗な熱狂によって存在する」とのことである。日本人は特定の宗教に依存せずとも、不特定の存在への強い信仰が根付いているのかもしれない。そんな見解を持つ角田は、その「何か」を求めて旅をする人々の姿を描きたいと語っている。

本書には、「夫にも誰にも内緒でひとりスリランカへ向かった美津紀」「京都の神社を訪ねる鶴子」「パリの奇跡の教会に辿り着く吉乃」など、様々なキャラクターが登場し、それぞれの願いを祈る姿が描かれている。彼女たちは、願いが叶う場所を探し求め、果たしてどのような結末が待っているのだろうか。