日本の伝統的酒造りが認められる
2024年12月8日、兵庫県伊丹市にて、日本酒造組合中央会が主催した「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録記念セレモニーが開催されました。これは、長い歴史を持つ酒造りの技術と文化が国際的に評価された証であり、その意義は計り知れません。
記念セレモニーの開催
セレモニーには、日本国内の約1,600の酒造メーカー関係者や一般参加者が集まり、合計80名以上が参加しました。冒頭の挨拶では、日本酒造組合中央会の会長、大倉治彦氏が、職人たちの努力によって育まれた日本酒の価値が海外で改めて見直されることへの期待を述べました。
その後、伊丹市の市長、藤原保幸氏が、日本の酒造りが世界的に認められたことを喜び、地域振興へ向けた意気込みを語りました。続いて、保存会の小西新右衛門会長が鏡開きを行い、会場全体が一体となって祝賀の拍手が響き渡りました。
酒造りの文化と技術
セレモニーでは、「酒造り唄」の披露もあり、丹波流酒造り唄保存会のパフォーマンスが会場を盛り上げました。酒造り唄は、酒造りの各工程を楽しく運営するための大切な伝統であり、時間の目安を知らせる役割も果たします。このように、酒造りは技術だけでなく、文化としても豊かなものとして受け継がれています。
参加者からは、「日本の酒は世界に二つとない」という言葉が響き、文化庁の髙橋一成参事官も、日本のみならず国際的にこの文化を広めていく意義を強調しました。
パネルディスカッション
セレモニーの後半では、「伝統的酒造りの価値と継承」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。酒造りの技術や知識を次世代に継承する重要性について、各登壇者が意見を交わしました。特に小西会長は、登録がゴールではなく、新しいスタートであることを強調しました。
また、丹波杜氏組合の小島喜代輝相談役は、毎年この時期に仲間から新酒についての喜びの声が届くことを語り、酒造りに対する情熱が胸を打ちました。福田央理事長は、人材育成の必要性を述べ、今後の展望についても言及しました。九州本格焼酎協議会の多田格会長は、焼酎の進化についても触れ、期待を寄せました。
未来への期待
セレモニーは質疑応答や参加者からの意見が交わされる中、非常に温かい雰囲気で進行しました。閉会の挨拶には、佐浦弘一副会長が登壇し、関係者への感謝の意を示しました。「この登録は次世代の文化継承へ繋がる第一歩だ」と語り、大きな期待の中で終了しました。
このセレモニーは、日本の伝統的な酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたことを祝い、未来へつながる重要な気付きと成長の機会を提供したイベントでした。