京都大学発のOOYOO、CO₂分離膜技術を進化させる資金調達成功

京都大学発のスタートアップOOYOOが新たな資金調達に成功

京都大学発の新興企業、株式会社OOYOOは、CO₂分離膜に関連する革新的な技術を持つ成長中のスタートアップです。この度、OOYOOはシードエクステンションラウンドにおいて、約3億円の第三者割当増資を実施しました。これにより、同社のシードラウンド累計調達額は約7.4億円に達し、さらなる成長基盤を築くことができました。

資金調達の概要

今回の資金調達は、以下の企業が引受先となり、注目されています。

- 三菱ＵＦＪキャピタル株式会社
- 京都キャピタルパートナーズ株式会社
- 中信ベンチャーキャピタル株式会社
- みずほキャピタル株式会社
- 未来創造キャピタル株式会社（みずほリース株式会社CVC）

これらのパートナー企業は、OOYOOの技術推進に対する理解と支援を表明しており、今後の展開が期待されています。

OOYOOの技術とその目的

OOYOOは、京都大学の物質–細胞統合システム（iCeMS）に基づく先端的なポリマー技術を活用して、CO₂回収コストの大幅な削減を狙いとしています。従来の技術とは異なり、OOYOOが開発した高性能分離膜はエネルギー効率が高く、小型化されたシステムを実現します。この技術は、CCUS（Carbon Capture, Utilization and Storage）の実装に欠かせない要素として、広く評価されています。

OOYOOは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の支援も受けており、具体的には「GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業」に採択されています。現在、同社は分離膜を用いたCO₂回収システムのスケールアップを着実に進行中です。

大谷代表取締役の意気込み

代表取締役の大谷彰悟氏は、今回の資金調達におけるパートナー企業との関係構築を心強く感じているとコメントしています。「金融、地域、産業それぞれのネットワークを活用し、OOYOOが目指すカーボンニュートラル社会の実現に向けて、さらなる攻撃的な取り組みを進めていきます」。

今後の展開

OOYOOはその分離膜技術をCCUSインフラの標準技術として位置付け、世界的規模でのカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。国内外の産業界やエネルギーセクターとの協力を通じて、技術の社会実装やグローバル展開を加速する予定です。また、今後も持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に向けて、技術開発に集中しています。