ドローン操縦士の未来を切り開く新資格
一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)は、ドローン操縦の専門技術を一層発展させるために、2025年6月1日から新しい認定資格「ドローン操縦士回転翼エキスパート」を創設します。これに併せて、従来の資格「ドローン操縦士3級」は「ドローン操縦士回転翼スペシャリスト」と名称が変更されます。この資格改編は、さらなる技術向上を促進し、業界におけるスキルの標準化を目指しています。
新たな資格「ドローン操縦士回転翼エキスパート」
この新資格は、既存の「ドローン操縦士操縦士スペシャリスト」の技術を前提に、さらなる高度な操縦技術を身につけたいと考える人々に対し、全国39のDPA認定スクールでの実技講習を通じて取得が可能です。実技講習は、41種類の操縦技術を習得することが求められ、その内37種類は必須技能とされ、30種類以上を身につけることで合格となります。残りの技能は任意で選択する形式が取られています。
この資格を取得するためには、特に重要な要素が存在します。それは、GPSやビジョンポジショニング、障害物回避機能がオフになった状態での操縦能力を高めることです。このために、DPAは専用機体を用いた「ATTIモード」での実地訓練を実施し、受講生がどのような状況でも自信を持って操縦できるスキルを身につけられる環境を提供しています。
対象者と今後の展開
ドローン操縦士回転翼エキスパートを目指す受講者は、国家資格である「二等無人航空機操縦士」を持っていることが求められます。受講者は、この資格を通じて安心感を持ってドローンを操縦する能力を育むことが期待されており、最終的にはさらに高い国家資格である「一等無人航空機操縦士」や「ドローン操縦士インストラクター」に挑戦する道筋も用意されています。
今後、DPAは国家資格との差別化を意識しながら、スキル重視のスペシャリストやエキスパート資格の取得を進めていく方針です。例えば、マスターインストラクターによる赤外線点検などの特殊講座の設立も考えられています。
一般社団法人ドローン操縦士協会について
DPAは、2016年に設立された団体で、ドローン操縦士の技術と知識の健全な発展を図ることを目的としています。設立以来、41校の認定校が全国に存在し、また国土交通省にも登録管理団体として認可されています。これまでに多くのドローン操縦士がこの協会を通じて資格を取得しており、その数は1万3000人以上に達しています。
DPAでは、厳しい資格試験を通過した専門インストラクターが、GPSなしの環境でも高度な操縦技術を身につけるための徹底した訓練を行っています。将来的には、より多様なドローン操縦技術を持ったプロフェッショナルの育成を目指しています。
興味のある方は、各地のDPA認定スクールに問い合わせることで、詳細な情報や講習受講料について知ることができます。DPAは、未来のドローン社会を支える人材育成に力を入れていくことでしょう。