サンパウロ州軍警察がデータ駆使の犯罪予測へ
株式会社シンギュラーパータベーションズ(以下、シンギュラー社)は、ブラジル・サンパウロ州の軍警察と協力して、犯罪予測システム『CRIME NABI』の有効性を検証するプロジェクトを発表しました。この取り組みは、治安改善を目指す今後の警察活動において重要なステップとなります。
CRIME NABIとは?
シンギュラー社が開発した『CRIME NABI』は、高精度な犯罪予測を可能にするAI技術に基づくシステムです。これまでに、治安課題が顕著な南米における導入を進めるため、同社はブラジルに子会社を設立し、複数の警察機関との連携を図ってきました。今回のプロジェクトは、サンパウロ州というブラジルの経済の中心地で行われるため、さらに注目されることは間違いありません。
サンパウロ州とその意義
ブラジル国内で最も多くの人口を抱えるサンパウロ州。ここには約4600万人が暮らしており、サンパウロ市自体も1200万人以上が居住する南半球最大の都市です。また、この州はブラジルのGDPの約3分の1を占めており、経済的な影響力は非常に高いと言えるでしょう。
そのため、治安改善が進むことで社会全体の安定性が確保され、経済成長にも寄与することが期待されています。
検証プロジェクトの詳細
この検証は、2024年10月から実施され、シンギュラー社の提供する『Hotspot Policing Tool』と『Camera Grading』の2つのツールが使用される予定です。『Hotspot Policing Tool』は、警察が所有する犯罪実績のデータを基にして、犯罪の多発地点を特定するシステムです。これにより、パトロール計画を効率化し、犯罪発生のリスクを軽減することが可能になります。
一方、『Camera Grading』は、犯罪予測に基づき監視カメラの重点的な設置ポイントを明確化し、より効果的な監視活動を行えるようにサポートします。これにより、警察の業務の効率化も図られることでしょう。
今後の展望
シンギュラー社は、サンパウロ州軍警察との連携を通じて、これまでのプロダクトの改善に努め、ブラジル国内における治安向上に貢献していきたいと考えています。また、今後は犯罪予測システムをブラジルの民間企業へも提供する方向性を見据えており、複数の企業との協議も進行中です。
このように、シンギュラー社の取り組みはブラジルの治安改善において重要な意味を持ち、今後の動向が非常に楽しみです。技術の発展と共に治安がどのように向上していくのか、その結果が待ち遠しいところです。