新たに設立された300億円のスタートアップ支援ファンド
株式会社三菱UFJ銀行とその子会社である三菱UFJキャピタル株式会社は、スタートアップの成長を支援するための新しいベンチャーキャピタルファンド「三菱UFJキャピタル10号投資事業有限責任組合(MUC-10)」を設立しました。総額は300億円に上り、これにより三菱UFJキャピタルが運用するファンドの総額は1,700億円に達します。この新たなファンドは、特にスタートアップ企業への安定的な資金供給を目指しています。
スタートアップ育成の背景
政府は2022年に発表した「スタートアップ育成5か年計画」において、2027年までにスタートアップへの年間投資額を10兆円規模に引き上げることを目指しています。この目標に向けて、官民が協力し合い、スタートアップの成長をサポートする体制が求められています。近年の市場動向を考えると、上場後も継続的な成長を見込むためには、経営戦略の見直しとともに、持続可能な資金調達が不可欠です。
また、スタートアップにとっては、2027年までに多くのベンチャーキャピタルファンドが満期を迎えることが予想される中、特にディープテックなどの分野では長期的な支援が不可欠となります。つまり、MUC-10の設立は、こうした現状を踏まえた適切なタイミングでの取り組みだと言えるのです。
MUFGの社会的使命
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、2024年度からの中期経営計画において「産業創出・イノベーション支援」を重要な社会課題と位置づけています。これに伴い、スタートアップへの資金供給を通じて企業価値の向上に寄与することが金融機関としての使命の一部となっています。三菱UFJキャピタルは1974年の設立以来、市場環境に左右されることなく、成長が期待できる幅広い業種の企業に対してサポートを行っています。
これまでに930社以上のIPOに関与してきた実績があり、今後も多様な業種やステージの企業に対して安定的な成長資金の供給を続ける方針です。さらに、セカンダリー取引やExitの多様化にも挑戦し、持続可能なスタートアップ支援を実現していく予定でいます。
MUC-10の概要
- - 名称: 三菱UFJキャピタル10号投資事業有限責任組合
- - 出資金総額: 300億円
- - ファンド出資者: 三菱UFJ銀行、三菱UFJキャピタル
- - 運営会社: 三菱UFJキャピタル
- - ファンド期間: 10年
- - 投資対象: 全般(ライフサイエンス分野は除く)
MUFGは今後、「さぁ、世界を驚かせに行こう!」という新たなタグラインのもと、スタートアップと共に歩み、金融だけでなくグローバルネットワークや多様なソリューションを活用して、企業が直面する課題の解決や産業の育成に貢献していきます。このように、新たに設立されたファンドは、スタートアップエコシステムにおける重要なステップとなることでしょう。