新たなサスペンス小説『スメラミシング』の衝撃
作家・小川哲の新作『スメラミシング』が、2024年10月10日に株式会社河出書房新社より発売されることが決定しました。この作品は、傑出した文学賞を数多く受賞し、現代の印象を強める小川哲の最新作として、多くの読者の注目を集めています。彼は『地図と拳』で第13回山田風太郎賞と第168回直木三十五賞をダブル受賞するなど、その才能を証明してきました。
陰謀が支配する現代社会
『スメラミシング』は、「僕」とカリスマ的存在であるSNSアカウント<スメラミシング>を通じて描かれるサイコサスペンスです。作中では、反ワクチンや暗黒政府、イルミナティといった現代の陰謀論が狂気の渦を巻き、物語の中心となります。主人公の「僕」は母からの束縛に苦しみ、周囲との関係に悩む日々を送る中で、自らの存在意義を模索します。彼が求める物語は、正義のヒーローが現れ、真実を暴いてリセットされる世界の幻想です。
本書には金原ひとみ氏からの評価もあり、彼はこの作品を「挑戦的な快作」と称賛しています。現代社会で疎外されている人々の内面に迫る描写は、多様性が叫ばれる時代においても十分に価値があるものでしょう。
作中の作品群
『スメラミシング』は、サイコサスペンスだけではなく、宗教や人間の営みをテーマにした全6編で構成されています。「七十人の翻訳者たち」では聖書の隠された秘密を解明し、「密林の殯(もがり)」では日本の歴史を掘り起こします。また、「神についての方程式」では、数学と魔術的要素を融合させたストーリーが展開されるなど、各作品の内容が異なりながらも、一つのテーマが貫かれています。
書店員限定バウンドプルーフ
同作の刊行に先立ち、書店員限定でバウンドプルーフの受付が行われており、いち早く作品に触れた感想を期待しています。興味ある書店員は公式サイトからお申し込みください。締切は2024年8月30日です。
著者・小川哲について
著者の小川哲は1986年に千葉県で生まれ、東京大学大学院で学びました。2015年にデビューし、近年では数々の賞を受賞。ラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍しています。彼の作品には、しばしば社会への強いメッセージが込められており、今回の『スメラミシング』もその例外ではないでしょう。
書籍情報
- - 書名: スメラミシング
- - 著者: 小川哲
- - 発売日: 2024年10月10日
- - 予価: 1,870円(税抜1,700円)
- - ISBN: 978-4-309-03218-4
小川哲による新作『スメラミシング』は、陰謀論が渦巻く現代社会に問いかける、衝撃のサスペンス小説となっています。発売日が待ち遠しい作品です。