水素燃料船舶の安全基準が国際合意、海運業界の未来を確実にする
水素燃料船舶の安全基準が国際合意
2023年9月、国際海事機関(IMO)の第11回貨物運送小委員会(CCC 11)が開催され、水素を燃料とする船舶の安全基準が合意されました。これは、国際海運における温室効果ガスの排出削減を目指す取り組みの一環として、非常に重要な合意となります。
水素エンジンの開発
昨今の環境問題への関心の高まりから、ゼロエミッション船舶の開発は国内外で進んでいます。特に、我が国においては水素を燃焼する舶用エンジンの開発が進行中であり、これにより海上輸送の脱炭素化が期待されています。日本は、これまで蓄積してきた技術的知見を活かし、安全性を確保するための国際ルールの策定をリードしてきました。
合意された安全ガイドライン
今次会合では、液体水素および水素ガスを使用した水素燃料船の安全ガイドライン案が最終的に完成しました。このガイドラインは、冗長性や信頼性を高めるために設計されており、IMOの第111回海上安全委員会(MSC 111)での承認が予定されています。この承認後、具体的な運用が始まることになります。
アンモニア燃料船の基準も検討
さらに、昨年に策定されたアンモニアを燃料とする船舶の安全基準に引き続き、貨物としてのアンモニアを利用する船舶についても新たな安全基準が合意されました。来年7月の国際ガスキャリアコード(IGCコード)の改正に伴い、貨物のアンモニアを燃料として使用することが可能になる見込みです。
この基準は、海運業界全体のさらなる発展と安全性の向上に寄与することでしょう。
まとめ
水素を燃料とする船舶の安全基準が確立されることで、国際海運業界は脱炭素化に向けた大きなステップを踏み出しました。国土交通省が主導するこの取り組みは、今後ますます重要な役割を果たすことになるでしょう。海運業界の未来を見据えた具体的な行動が求められています。
今後の動向に注目です。