大阪・関西万博で注目の超小型バイオガスプラント
2025年に大阪で開催される日本国際博覧会(いわゆる大阪・関西万博)では、新しい形の資源循環型社会への取り組みが注目されています。その中でも、特に注目を集めるのが、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と株式会社ビオストックが手がける「超小型バイオガスプラント」です。このプラントは、生ごみを再生可能エネルギーに変えることを目的としており、万博における民間パビリオン「NTTパビリオン」に展示される予定です。
1. プラントの背景と目的
食料廃棄物のリサイクルは世界的な課題であり、中でもメタン発酵を利用したバイオガスの生成が注目されています。しかし、従来のバイオガスプラントはコストや安定運用の観点から大型の設備が必要でした。そのため都市部では設置が難しいという課題もありました。このような背景から、NTT東日本とビオストックは2022年から超小型プラントの開発に着手し、運用と保守のノウハウ、さらにIoT技術を駆使した遠隔管理を実証しています。
2. 展示内容について
この新しい超小型バイオガスプラントは、2025年4月に始まる大阪・関西万博期間中、約半年もの間展示される予定です。展示場所は大阪市此花区内のNTTパビリオンで、生ごみ処理からエネルギー生成へとシームレスに移行できる構造になっています。
3. プラントの特筆すべき特徴
1. 超小型設計
従来的なバイオガスプラントは、毎日数十トンもの廃棄物を必要としますが、この新しいプラントでは10トン以下の原料でも動作可能です。また、最小構成は12フィートのコンテナ一台に収まるため、運搬も容易です。
2. エネルギー利用の効率性
極めて少量な原料でも安定した発電が可能で、バイオガスとカーボンニュートラルLPGを併用し、効率的なエネルギー利用を実現しています。
3. 遠隔制御能力
IoT技術を活用し、クラウドからバイオガスプラントの監視と制御を行える新機能も搭載。これにより、従来のローカル制御よりも運用の効率化が期待されます。プラントはリアルタイムで状態を把握し、スムーズな運営を支援します。
4. 各社の協力
このプロジェクトは、NTT東日本がデジタル技術を駆使して測定データを分析し、ビオストックが超小型バイオガスプラントの提供と遠隔制御の保守を担当しています。両社はそれぞれの専門性を活かし、相互補完し合っています。
5. 今後の取り組み
NTT東日本グループは、地域の循環型社会を構築するために、多様なパートナーと共に活動を続けていく方針です。この「超小型バイオガスプラント」は、地域における持続可能な未来の構築に寄与し、生ごみ処理の効率化と再生可能エネルギー生成の両立を目指しています。
今後も自治体や企業と連携して、地域の課題解決に積極的に貢献していく予定です。ナレッジの共有や新技術の導入を通じて、より良い循環型社会の実現を目指します。