素材の魅力を世界へ発信する佃真TSUKUSHIN
高級真昆布と佃煮を手がける佃真TSUKUSHINが、イギリス・アイルランドの「ミシュランガイド」と公式パートナーシップを結びました。これは、日本企業として初めての快挙です。この提携により、2025年2月10日にスコットランドのグラスゴーで行われるミシュランガイド授賞式において、彼らの誇る最高級の真昆布と佃煮が披露されることが決まりました。
佃真は英国とアイルランドの料理界に、伝統的な日本の素材の魅力を伝える目標を持っています。授賞式では、北海道産の最高品質の真昆布を使用した料理が名高いシェフたちに提供される予定です。さらに、日本で古くから親しまれている「佃煮」という保存食も登場します。佃煮は、山椒や生姜を効かせて醤油で煮込んだ、風味豊かな一品で、和食だけでなく、現代的なヨーロピアン料理にも合う魅力を持っています。
佃真の代表取締役である小濱敬一氏は、「このパートナーシップは、私たちの品質へのこだわりの証であり、伝統的な食材を未来に引き継ぐ重要な役割も果たします。昆布が環境に優しい食材であることを知ってもらいたい」と語っています。また、「日本の豊かな風味をトップシェフに紹介し、新しい料理表現の創造に寄与したい」と、意気込みを見せています。
佃真の歴史と温故知新の精神
佃真の物語は170年以上前に遡ります。創業者である小濱鈴子の家族は、大阪で昆布業界に携わってきました。1960年、彼女の夫が神戸に佃真を設立し、高品質の真昆布と伝統的な佃煮の製造を通じて、日本の食文化を伝え続けてきたのです。現在は息子の小濱敬一が会社を率いており、彼の妻・小濱洋子もそのビジョンの拡大に貢献しています。彼らは、日本の伝統的な食材を守りながら、国際的な舞台でもその価値を訴え続けています。
現代に求められる昆布の価値
近年、天然の真昆布の収穫量が減少している中、佃真はこの貴重な資源を守る取り組みを続けています。また、北海道南部の尾札部産の珍しい真昆布の在庫も有し、その旨味を極めています。佃煮もまた、保存食としてだけでなく、料理の隠し味としての価値が再評価されています。特に、持続可能な海産物としての昆布の役割は、環境保護の観点からも重要視されています。もともと昆布は、日本料理の基本となる出汁の材料として知られ、その旨味は多くの料理の基礎を成しています。
昆布の持つ可能性
昆布は食材の無駄もなく、保存が利くため、持続可能な食品としての特長を持っています。栽培時に真水が不要で、自ずと環境保護にも寄与します。また、昆布はヴィーガンやベジタリアンにも適した素材であり、健康にも良い選択肢です。
特に真昆布は、その優れた品質から「昆布の王様」と称され、北海道で育つ特別な環境のおかげで、豊富な旨味と栄養を持っています。また、昆布には必須ミネラルが豊富に含まれ、他の食材を引き立てる効果もあります。
ミシュランガイドの権威
ミシュランガイドは1900年に発表され、今や世界的な料理評価システムとして知られています。厳正な審査を経て、ミシュラン星を受けたレストランは、料理界における卓越性の象徴です。今回の提携は、佃真がその一環に参加できる歴史的な瞬間であり、彼らの一貫した努力が評価される証でもあります。
佃真が創り出す昆布料理が、グローバルな舞台でどのように進化し、料理界に影響を与えるのか、今後の展開が待ち遠しい限りです。