デイブレイクとTOPPANによる業務連携
2023年、デイブレイク株式会社とTOPPAN株式会社が冷凍食品の品質向上と保持を目的とした新たな業務連携を発表しました。デイブレイクは東京・品川に本社を構える特殊冷凍ソリューションのパイオニアであり、TOPPANは食品包装の分野で高い技術力を誇ります。この二社が手を組むことで、冷凍食品の未来にさらなる可能性が開かれることが期待されています。
業務連携の背景
冷凍食品市場は、近年の冷凍技術の進化と食品ロス削減の意識高まりから急速に拡大しています。デイブレイクは特に、素材本来の品質を最大限に保つ特殊冷凍技術を開発しており、その実績は数多くの食品事業者に評価されています。しかし、冷凍食品の品質を保持するためには、ただ冷凍するだけでは不十分です。適切な保管も非常に重要な要素であり、品質劣化の約70%が保管時に起こるとされます。
そのため、デイブレイクとTOPPANは協力し、業務連携を通じて冷凍食品の鮮度保持を強化することにしました。それぞれが保有する技術を融合させ、品質向上に貢献しようという狙いです。
取り組み内容
1.
特殊冷凍とバリアフィルムの共同研究
- 両社は温度変化や包装の影響を考慮した実証実験を行い、冷凍食品の保存における最適な方法を探ります。
2.
普及活動の展開
- 成果を広めるため、食品メーカーや飲食業界向けにセミナーや勉強会を開催し、特殊冷凍技術とバリアフィルムのメリットを理解してもらう取り組みを行います。
3.
共同開発による新商品の創出
- 最終的には、両社の技術連携から新商品開発も視野に入れ、成果をユーザーに提供していく計画です。
特殊冷凍とバリアフィルムの効果検証
具体的な取り組みとして、デイブレイクの冷凍機「アートロックフリーザー」を利用したアボカドの冷凍実験が行われました。熱処理が施されていないアボカドを特殊冷凍機で冷凍した後、-20℃でTOPPANのバリアフィルム「GL BARRIER」を使った真空袋と、バリアなしの真空袋で約7ヶ月間保管しました。その結果、バリアなしの袋ではアボカドが褐変する一方で、「GL BARRIER」使用の場合は変色がほとんど見られず、凍結前の状態を再現することができました。
デイブレイクとTOPPANの技術
デイブレイクの特殊冷凍機「アートロックフリーザー」
この冷凍機は、急速かつ均一に凍結を促進し、食品に与えるダメージを最小化します。氷結晶を小さく生成することで、細胞の損傷を減少させ、食材のうまみ成分の流出を防ぎます。計700社以上の導入実績があり、多くの食品事業者から高い評価を受けています。
TOPPANのバリアフィルム「GL BARRIER」
TOPPANが開発したこのフィルムは、透明で高いバリア性を持ち、酸素や水蒸気の侵入を防ぎます。従来のアルミ箔を代替できる素材で、食品の劣化を防ぎ、特に冷凍食品業界で注目されています。
未来への展望
デイブレイクは、今後も特殊冷凍技術を駆使して食品業界の課題解決に努め、さらなる技術の発展と研究を重ねていく方針です。TOPPANとの連携を通じて、冷凍食品の品質向上だけでなく、業界全体の発展にも寄与することを目指します。このパートナーシップが、革新的な食品の未来を形作ることに期待が寄せられています。