墨田区に誕生した共創施設から新たなイノベーションを創出
墨田区は、観光名所としてのイメージが強い一方で、実は製造業が発展している地域です。2023年10月、JR錦糸町駅近くに設置された「墨田区産業共創施設SUMIDA INNOVATION CORE」(以下、SIC)は、スタートアップ企業と地域の中小企業が共に成長する場を提供しています。この新たな拠点は、イノベーション創出のための出会いの場として注目を浴びています。
墨田区のものづくりの魅力
墨田区は東京23区内で2番目に工場が多く、印刷、金属加工、プラスチック製品、機械器具、繊維など多様な分野の企業が集まっています。この背景からも、ものづくりの街としての地位を確立しています。SICは、こうした地域特性を生かし、新たな産業の芽を育てることを目指しています。
スタートアップと中小企業の共創
SICが特に重視しているのは、「共創」の概念です。墨田区の産業振興課の髙橋氏によると、SICはスタートアップ企業と地域の中小企業、大学との連携を強化することで、共に成長する関係を築こうとしています。具体的には、スタートアップのニーズに応じた支援を行うアクセラレーションプログラム「SPARK」が用意されており、創業初期のスタートアップや学生起業家が参加することができます。
プログラムの詳細
「SPARK」は、事業企画力や共創プランの構築を支援するプログラムで、参加者はワークショップや個別面談、他の企業やメンターとのマッチング機会を活用することができます。プログラム修了後には実証実験の機会もあり、実際にビジネスを展開するための道が開かれます。
多様なイベントが共創を促進
さらに、SICではピッチイベントやワークショップ、見学ツアーなど多様なイベントを定期的に開催しています。これにより、そこで出会った企業同士が情報交換を行い、共創のきっかけを生むことが期待されています。髙橋氏は、こうしたイベントを通じて、スタートアップと中小企業の共創事例がどんどん生まれることを願っています。
墨田区立地の利点
墨田区での起業には、交通の利便性やコストパフォーマンスの良さに加え、「人と人の距離感の近さ」が大きな魅力です。近年の区内では、スタートアップ企業や中小企業間の協力が盛んで、ヒューマンネットワークが非常に形成しやすい環境となっています。この関係性の厚さが、産業集積のアップデートへとつながることでしょう。
SICは、都心アクセスの良さと住みやすさを兼ね備えた墨田区において、スタートアップと中小企業が共創し、新たなイノベーションを創出するための拠点として、今後ますます重要な役割を果たすことでしょう。新しいビジネスの発展が期待される中、墨田区の魅力が改めて浮き彫りになっています。さらに多くの企業との連携が進むことを願ってやみません。
詳細な情報は、墨田区産業共創施設の公式サイト(https://sic-sumida.net/)をご覧ください。