知識不足と意識のギャップを浮き彫りにしたエネルギー基本計画調査
2024年11月、パルシステム連合会が実施したオンラインアンケート調査「あなたはどこまで関心がありますか?未来のエネルギー」の結果が発表されました。この調査は、エネルギー政策に対する消費者の意識を探るものでした。
調査には約4,099人が参加し、政府が進める「第7次エネルギー基本計画」に対する関心が明らかになりました。興味深いことに、計画の名前を「聞いたことがある」と答えた人が48%である一方、その具体的な内容を「知っている」と答えた人はわずか7%だったのです。この結果は、多くの消費者がエネルギー政策に興味を持っているものの、肝心の情報が十分に伝わっていない現実を物語っています。これを受けて、53%の人が「具体的なエネルギー基本計画の内容を知りたい」と答え、情報不足の深刻さが浮き彫りとなりました。
また、政府が設置しているエネルギー政策に関する「意見箱」の認知度も明らかになりました。「知っている」と回答したのはわずか6%で、多くの人がその存在を知らないという状況に。投稿したいと考える人は48%に達しており、関心を持ちながら意見を送る手段が分からないという矛盾が浮かび上がっています。これは消費者の声を政策に反映させるための大きな課題です。
日常生活における省エネ意識の高まり
一方で、調査は日常生活における省エネの取り組みについても伺いました。驚くべきことに、「取り組んでいない」と答えた人はわずか3%で、97%が何らかの省エネ施策を実行していることが示されました。この結果からは、消費者がエネルギーの無駄遣いを避けるために日常生活で意識的に行動している様子が伺えます。
特に、58%が「公共交通機関や自転車を利用している」と回答し、これは全年代で最も多くの支持を集めました。次いで「クールビズやウォームビズの実施」が52%、省エネ家電の利用が45%、エコドライブが27%と続き、環境に配慮した生活様式が根付いていることがわかります。
エネルギー基本計画の見直しと今後の展望
エネルギー基本計画は、約3年ごとに見直され、化石燃料、原子力、再生可能エネルギーの電源比率やエネルギー需要の見通しが定められています。今年度の見直しでは、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロに向けた2040年度までの削減目標が重要なテーマとなっており、これに関する国民からの意見が求められています。12月下旬には新たな意見箱が設置され、消費者の意見を基にした政策運営が期待されています。
この調査結果は、パルシステムが消費者とともにエネルギーの在り方や持続可能な社会づくりを考えるうえで、重要な手掛かりとなるでしょう。エネルギー政策の見直しに向けた国民の意見がどのように反映されていくのか、今後の動向に注目が集まります。