Direava株式会社、AI搭載「キノスラ」の薬事承認を獲得
Direava株式会社(ディリーバ)は、AI技術を用いた手術映像認識プログラム「キノスラ」が薬事承認を受けたことを発表しました。これは、手術中における重要な神経のリアルタイム認識と表示を可能にするもので、合併症のリスクを低減することが期待されています。
製品の特長
このプログラム「キノスラ」は、ロボット支援食道悪性腫瘍切除術に特化しており、AIが手術映像内で左右反回神経をリアルタイムに検出し、その位置を強調表示します。さらに、反回神経にかかる牽引の可能性を示す機能も搭載しています。この機能により、外科医は重要な神経をより正確に把握することができ、手術の安全性を向上させる助けとなります。
開発の背景と臨床的価値
反回神経麻痺という課題は、多くの外科手術において重要な問題です。特に食道がん手術では、反回神経の損傷が発声や嚥下機能に大きな影響を与えることが知られています。術後に嚥下障害や誤嚥性肺炎が起こると、患者の生活の質(QOL)が著しく低下します。
このような背景から、手術中に反回神経を的確に特定し、周囲の状況に配慮して操作を行うことが求められています。特に視認性が低下する場面では、熟練外科医でさえ慎重な判断が必要です。「キノスラ」は、AIの力を借りてこの課題に応え、外科医の支援をすることを目的としています。
「キノスラ」の具体的な機能
1.
反回神経の強調表示: AIが術中映像を解析し、反回神経の位置を強調することで、医師の経験や疲労に左右されない支援を実現します。試験では、左反回神経の検出感度が96%、右反回神経では84%が確認されています。
2.
神経牽引のリアルタイム表示: 反回神経に過度な牽引がかかっている可能性を察知し、手術中に即座に表示する機能を持っています。この表示により、外科医は手技を見直す機会を得ることができ、結果的には反回神経麻痺の予防につながります。
製品概要
- - 販売名: 手術映像認識プログラム キノスラ
- - 一般的名称: 手術用画像認識支援プログラム
- - クラス分類: 管理医療機器(クラスⅡ)
- - 承認番号: 30700BZX00326000
- - 承認年月日: 2025年12月9日
今後の展開
Direavaは、薬事承認を受けて、事業化に向けた準備を進めています。本製品は、対象術式における安全性向上に寄与すると同時に、ユーザーからのフィードバックを基にさらなる機能拡充を目指します。今後、外科領域への応用の拡大も視野に入れて技術開発を進める予定です。
Direava株式会社について
Direavaは、現役の外科医が創業したスタートアップ企業です。「外科医視点」に基づくAI技術により、手術中の合併症を低減し、医療の質を向上することを目指しています。現在、国内外の数多くの医療機関と連携して、臨床現場に即した製品開発を推進中です。Direavaは、AIと外科の融合を進め、手術の安全性と質の向上に貢献していくことでしょう。
【本製品に関するお問い合わせ】
Direava株式会社
Email:
[email protected]
ウェブサイト:
https://direava.com/