2025年12月13日、東京大学物性研究所が、最先端の研究を紹介する特別講演会「極限こそ、科学の冒険」を開催します。このイベントは、千葉県柏市の柏の葉キャンパス駅前サテライトとオンラインで行われます。講演会は、14:30から16:00まで行われる予定です。参加は無料ですが、事前の申し込みが必要です。
講演では、東京大学物性研究所の教授である松田康弘氏と、東京大学大学院理学系研究科の教授である鍵裕之氏が登壇します。松田教授の講演「世界は磁場で満ちている」では、日常生活ではあまり意識されない磁場の重要性について説明されます。磁場は、地球の磁気によって宇宙放射線を遮ったり、渡り鳥の航海に役立っています。また、MRIや電気自動車にも必要不可欠なものであり、宇宙では地磁気よりも何兆倍も強い磁場を持つ天体も存在します。松田教授は、地磁気の1千万倍の強い磁場を生成し、宇宙に近い環境で物質を形成するメカニズムに挑戦しています。
一方、鍵教授の講演「高圧科学で探る、地球奥深くに潜む水」では、極端な温度や圧力が物質の性質をどう変えるかを説明します。例えば、深海の1万メートルや地下150キロメートルの極限において、物質の構造は大きく変化します。鍵教授は、実験室で高圧環境を再現し、物質の反応を研究しています。地球の内部現象において、水と水素が非常に重要な役割を果たすと主張し、火山や地震の原因にも関与していると考えられています。この講演では、地球の内部に潜む「見えない水」の存在や、その高圧環境下での挙動について解説される予定です。
この講演会は、科学の最前線に触れる貴重な機会です。極限環境がもたらす最新の研究成果を通じて、未来の物質科学への理解が深まることでしょう。どなたでも参加できるイベントですので、ぜひご参加ください!