再発性低悪性度漿液性卵巣癌の新たな治療法が示す希望の光

再発性低悪性度漿液性卵巣癌の新たな治療法が示す希望の光



2026年2月、婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)は、再発性低悪性度漿液性卵巣癌(LGSOC)に対する新たな治療法の臨床試験結果を発表しました。この重要な研究は、東京で開催されたJGOG・EAGOT国際シンポジウムで取り上げられました。

この試験、正式には「RAMP201J」として知られる第II相試験は、特にKRAS変異を伴う再発性LGSOC患者に焦点を当てています。これを実施したのは、バイオ医薬品企業のベラステム・オンコロジーで、彼らは新しい治療薬としてアブトメチニブとデファクチニブの併用療法を開発しました。アブトメチニブはRAFMAPK経路に働きかけ、再発性LGSOCに有効であるとされています。ここで示された最新の成果は、これらの新薬の効果を証明する期待が高まるものです。

試験の実施にあたり、16名の患者が対象となりました。治療の結果、確認された全奏効率は37.5%であり、特にKRAS変異を有する患者では57.1%と高い割合を示しました。この結果は、従来の治療法に比べ有望な数値といえるでしょう。患者のうち11名が現在も治療を継続しています。このデータは、再発性LGSOCの患者に対する新たな治療選択肢を提供するものとして注目されています。

JGOGとベラステム・オンコロジーの研究者たちは、これにより日本国内での婦人科がん治療における新たな一歩と位置付けています。LGSOCは、その特異な特性のため、患者にとって非常に難治性とされるがんの一つです。これまでの治療法では十分な効果を得られなかった患者にとって、この新たな治療法は光明をもたらす可能性があります。

試験の実施は、日本の5つの医療機関で行われました。東京慈恵会医科大学附属病院をはじめ、三重大学医学部附属病院、東北大学病院、久留米大学病院、愛知県がんセンター中央病院などが参加し、共同で研究を進めています。

「この試験の結果は再発性LGSOCに対する新たな治療選択肢の可能性を示しています」と島田教授は話します。特に、化学療法に対する感受性が低く、厳しい状況に置かれる多くの患者にとって、パラダイムシフトをもたらす可能性が考えられます。

治療関連の副作用についても注目されており、多くの患者が比較的良好な耐容性を示しています。具体的には、クレアチンホスホキナーゼの上昇、口内炎、末梢浮腫といった副作用が見られましたが、重篤な毒性は報告されていません。この情報は、今後の治療法の運用において非常に重要なデータとなるでしょう。

今後の展望として、JGOGは日本からの患者の登録を続けており、国際共同第III相試験に向けた流れを確立しています。2027年までにはさらなる結果が期待されています。JGOGの岡本理事長は、この研究が婦人科がんの治療開発において重要な意義を持つと口にし、その進展が多くの患者に希望を提供することを期待しています。

このように、再発性低悪性度漿液性卵巣癌における新しい治療法の進展は、多くの女性たちに新たな希望を届けるものと期待されています。今後もこの分野の研究がさらに進むことが期待されます。

会社情報

会社名
特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍研究機構
住所
東京都新宿区神楽坂6-22小松ビル4階
電話番号
03-5206-1982

関連リンク

サードペディア百科事典: 臨床試験 卵巣癌 婦人科癌

Wiki3: 臨床試験 卵巣癌 婦人科癌

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。