沖縄の新たな挑戦:AI発酵制御で海藻を育てる「うま藻場」
沖縄県うるま市にて、株式会社AlgaleXが手がける海藻養殖現場「うま藻場」が、2025年8月25日から一般に公開されます。この施設は、農林水産省の支援を受けており、世界初のAI発酵制御技術を用いて海藻を持続的に生産する試みが行われています。「うま藻」がどのように育てられ、環境にどのような貢献をしているのか、その過程を体感できる貴重な機会です。見学は事前予約制で、参加費は1,000円(税込)。
「うま藻」とは?
「うま藻」は、沖縄の捨てられがちな泡盛粕を利用して育成される極小の海藻「オーランチオキトリウム」から生まれた製品です。この海藻は、DHAやGABAなどの栄養素が豊富で、特にDHAはサバの13倍含まれています。このため、「うま藻」を扱うことで、健康に良い栄養素を無駄なく摂取できる環境が整いつつあります。
これまで、AlgaleXは沖縄県内のリース設備を利用して生産を行っていましたが、2025年には自社開発による新しい設備が完成し、AIによる品質管理が行き届く環境が整いました。この新技術により、海藻の生育から販売までのプロセスが一貫してコントロールされ、安定した品質が確保できるようになったのです。
AIの力で実現する持続可能な養殖
AlgaleXが開発したAI技術は、泡盛粕の栄養素の変動を補正し、まるで凍った米を扱う杜氏のように繊細な調整を行うことができます。そのため、「うま藻」の生育はより一層安定し、高品質の生産が実現されています。企業の目的は単なる美味しさの追求ではなく、持続可能な水産養殖による海の恵みを保全することにあります。透明な水で育つ「うま藻」は、こうした理念を体現するプロダクトなのです。
海藻育成の重要性
現在、国産の漁獲高は1988年の約1,300万トンから2022年には400万トンを下回るまでに減少しています。天然魚の供給減や環境問題に直面する中で、AlgaleXは海藻の重要性に着目しました。海藻は、魚が必要とするDHAを生産する根源であり、これを積極的に利用することで、天然の漁業資源を保護する新しい方法が可能になると考えています。
代表の高田大地氏は、「未来の海を守るためには、海藻の重要性を再認識し、安定的な生産方法を確立することが必要です」と強調しています。そして、うま藻場の見学を通じて、訪れた方々に海の現状や未来を考える機会を提供しています。
参加方法と詳細
「うま藻場」の見学は専門のスタッフによる解説付きで、所要時間は約60分です。見学者はは事前予約が必要となっており、参加費には「うま藻」の試食体験も含まれています。予約の際には、公式ウェブサイトまたは電話で希望の日時を伝える必要があります。詳細は公式サイト
ここをクリックから確認できます。
アクセス情報
- - 公開開始日時: 2025年8月25日(月)10:00~
- - 所在地: 沖縄県うるま市州崎12-75, 沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター内
- - 料金: 1,000円(税込)
最後に
AlgaleXは、ただ美味しい海藻を作るだけでなく、未来に向けた持続可能な環境を構築するための重要な試みを行っています。海藻を通じて次世代の環境問題に向き合うこのプロジェクトに、ぜひ皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。