電気科学技術奨励賞受賞
2024-10-03 12:14:32

熊本大学の特任准教授と助教が電気科学技術奨励賞を受賞

熊本大学大学院先端科学研究部の松田俊郎特任准教授と木山真人助教が、先日行われた第72回電気科学技術奨励賞において、その功績が高く評価され、受賞の栄誉に浴しました。受賞事業は、「全国初の電動スクールバスの実証による地域の低炭素化、エネルギー地産地消、強靭化の取り組み」というもので、地域への影響を考慮した新たな交通手段の導入が目的とされています。

このプロジェクトは、熊本県球磨村において、令和3年度から5年度にかけて実施されました。環境省の事業を受託した熊本大学は、電動スクールバスの実証試験を行い、2年間で延べ14,000kmの走行に成功しました。この電動スクールバスは、太陽光発電による電力を昼間に充電し、夜間には地域の電力供給にを行うことができる収納機能を備えています。さらに、災害時には移動可能な非常電源としても活用できる優れた特徴を持っており、結果的に地域の強靭化に寄与することが明らかになりました。

電動スクールバスは、環境負荷を軽減する重要な手段でもあります。試算によれば、従来のバスと比べてCO2排出量は51%減少し、さらに日中充電制御を導入することで、追加的にCO2排出量を15%削減することが期待されています。また、燃料費は61%も削減可能で、地域への電力供給は年間4MWh程度に達し、地域全体にとって大きなメリットとなるでしょう。

第72回電気科学技術奨励賞は、電気および関連分野で優れた研究や成果を上げた個人や団体を表彰するもので、1952年に創設以来、日本の企業や大学の新技術が評価されてきました。今年度の受賞は全体で26件あり、大学単独の受賞は熊本大学だけであったことから、本プロジェクトの社会的意義が際立ちます。

電気科学技術奨励賞の贈呈式は、2023年11月22日(金)に東京都千代田区の学士会館で行われる予定です。また、熊本大学は0930年を見据えた「熊本大学イニシアティブ2030」を策定し、カーボンニュートラルの実現に向けて積極的に取り組んでいます。2050年にはCO2排出量を実質ゼロにするために、基礎研究や地域との連携を進めていく方針です。

この受賞に関しては、松田准教授が「地域のための技術開発が一歩前進したと感じている。今後も地域と連携しながら、持続可能な社会の実現に向けた研究を続けていきたい」と語り、地域貢献への意気込みを示しています。熊本大学の今後の取り組みに期待が寄せられます。

熊本大学に関する詳細な情報やプロジェクトの成果については、同大学の公式ウェブサイトや、担当教員へのお問い合わせを通じて知ることができます。興味を持たれた方は、ぜひ一度ご確認ください。


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国立大学法人熊本大学
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熊本県熊本市中央区黒髪2-39-1
電話番号
096-344-2111

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