安芸太田町における森林由来Jクレジット創出事業への取り組み

安芸太田町における森林由来のJクレジット創出事業

安芸太田町の筒賀地域では、2025年から2035年の期間を対象に、NTTビジネスソリューションズ株式会社と株式会社地域創生Coデザイン研究所との間で「安芸太田町筒賀財産区森林由来Jクレジット創出事業協定」が締結されました。この取り組みは、地域の森林資源を活用して脱炭素社会の実現を目指すものです。

・背景

筒賀地域は古くから林業を支えに成長し、多様な生態系や水源の保全にも寄与してきました。しかし、近年の人口減少や林業に関わる人の不足が、地域の森林管理を困難にしています。こうした課題解決の一環として、森林の二酸化炭素の吸収量を測定し、カーボンクレジットとして活用する「Jクレジット制度」が導入されています。

この協定は、地域資源を最大限に活用しつつ持続可能な社会を築くために設けられました。具体的には、森林の適切な管理を通じて得られるクレジットを販売し、得られた収益を地域振興へ再投資する仕組みを構築します。

・取り組み概要

本協定では、以下のポイントが挙げられます。

- 協定期間: 2025年12月1日から2035年3月31日
- 対象森林面積: 2,348ヘクタール
- 創出予定クレジット量: 累計8,000トン-CO₂（2026年度から2033年度）

これに基づき、まずは森林の整備と管理を実施し、Jクレジット制度に則って認証と販売を行います。この収益は、森林の持続可能な管理や地域の発展に直接つながる形で再投資されます。

・各々の役割

協定に参加している団体それぞれの役割も明確化されています。

- NTTビジネスソリューションズ株式会社: Jクレジットの販売と管理
- 株式会社地域創生Coデザイン研究所: プロジェクト管理や販売支援、手続きの整備
- 安芸太田町筒賀財産区: 森林の提供と管理、必要な情報の提供

・今後の展望

将来的には、この地域におけるカーボン・オフセットを推進するとともに、より広範なネットワークを通じて他地域や都市部へのクレジット流通を促進していきます。また、地元企業との連携を強化し、さらに多様なカーボンクレジットの創出も視野に入れた取り組みを進める予定です。

国全体として脱炭素化の流れが進む中で、安芸太田町のこのプロジェクトは、地域発の持続可能な取り組みとして期待されています。