日台のビジネスリーダーが集結した「TAIWAN INNOVATION NIGHT 2025」の報告
2025年5月8日、東京都中央区のJETRO Innovation Gardenにおいて、日台交流をテーマにした「TAIWAN INNOVATION NIGHT 2025」が盛況に開催されました。このイベントは、株式会社ニリックが主催し、Mighty Net、Startup Island TAIWAN、JETROが共同で支援。2回目の開催となったこのイベントでは、AIとデジタルトランスフォーメーション(DX)の新たな可能性を探ることを目的として、多くの企業やスタートアップが参加しました。
イベントの目的とテーマ
今回の台湾イノベーションナイトでは、日台のスタートアップやベンチャーキャピタル(VC)、大手企業、支援機関らが一堂に集まり、リアルな技術の交流や事業連携のチャンスを模索しました。特に、AIとDXというテーマが、今後のビジネスの鍵を握るとされており、各企業がどのようにこれらを活用していくかに焦点が当てられました。さらに、展覧会の一部として、SusHi Tech Tokyo 2025のパートナーイベントとしても高い関心を集めました。
イベントの構成
当日は、約200名の参加者が集まり、活気あふれる交流が展開されました。受付開始からオープニングトーク、ライトニングピッチセッション、パネルディスカッション、ネットワーキングなど、多彩なプログラムが用意されました。
ライトニングピッチセッション
ライトニングピッチセッションでは、Salesforce VenturesやFujitsu Ventures、JETRO、AWSの代表者が登壇し、それぞれの関心や支援体制を詳細に説明しました。このセッションでは、日台の市場における協業の可能性が高まるきっかけとなり、各企業が注目している技術領域や成長段階に関する情報を共有する場となりました。
パネルディスカッション
続くパネルディスカッションでは、台湾の事業会社や投資家4名が参加し、「日本市場が台湾スタートアップにとって事業可能性があるのか?」というテーマのもと、リアルな交流が生まれました。パネリストの一人、Jackey Wang氏(DuoInsight Venture)は、台湾のAIスタートアップが海外展開中に直面する課題について語り、特に日本市場で受け入れられやすい分野について具体的な例を挙げました。
また、Ray Chiu氏(Calyx, Inc.)は、ディープテックAIの国際展開の実例を交え、日本市場の魅力と課題を具体的に語りました。Norman Chang氏(UMC Capital)は、エッジAIや産業DXツールのような、見過ごされがちな有望な技術領域についての投資家視点からの洞察を共有しました。
各パネリストが持つビジョンや経験が交錯し、有意義なディスカッションが繰り広げられ、最終的には日台のパートナーシップを強化するためには「信頼構築」「技術的な接続性」「現場での小さな成功体験」が必要であるという共通認識が深まりました。
スタートアップネットワーキング
また、このイベントの特筆すべき点は、AIやDXに関連する台湾のスタートアップ6社が参加したネットワーキングとデモブース展示です。来場者との対話や技術が紹介され、商談も活発に行われました。参加したスタートアップは、シード期からPre-IPOまで多様な成長フェーズにわたり、各々がアジアでの課題解決に積極的に取組んでいました。
例として、Avalanche Computing Taiwan Inc.はAI開発を効率化するプラットフォームを提供し、Eslitec Co., Ltd.はAIチャットボットのプラットフォームを展開。VM-Fiは、多言語対応のAI同時通訳ソリューションを提供する企業です。
まとめ
「TAIWAN INNOVATION NIGHT 2025」は、日台のイノベーションが交差する重要な場所として、今後の展開が期待されます。日台間のパートナーシップがグローバルな視野を持ち、次のイノベーションに向けた一歩を踏み出す機会になったことは間違いありません。今後もこのような国際的な連携の場が増えていくことを願います。