中銀カプセルタワービルのカプセル救出プロジェクト
東京中央区の銀座に位置する「中銀カプセルタワービル」は、1972年に創設された建物で、その独特なデザインと構造から建築ファンの中で高い評価を受けてきました。しかし、2022年に解体が始まり、50年間の歴史に終止符が打たれました。この時、唯一の救いとなったのが「中銀カプセルタワービルA606プロジェクト」による7個のカプセルの救出です。
中銀カプセルタワービルの特徴
「中銀カプセルタワービル」は、黒川紀章により設計された「メタボリズム建築」の代表作であり、140個のカプセルが個別のユニットとして機能します。これにより、住人は簡単にカプセルを交換することができるというコンセプトがありました。しかし、実際には交換されることなく、解体の運命を辿ることになりました。
カプセル救出の意義
A606プロジェクトは、解体される運命にあった7個のカプセルの保存だけでなく、その価値を未来に繋げることを目指しています。プロジェクト代表のいしまるあきこは、「建築は人が使ってこそ生きていける」との信念のもと、カプセルを「動く建築」として活用し、また50年後にも使いながら残す体制を作るべく努力しています。
クラウドファンディングの開始
このプロジェクトのために、クラウドファンディングが開始されました。目標金額は300万円で、この資金はカプセルの運搬費用やメンテナンス資料の作成に充てられます。クラウドファンディングにはリターンもあり、全戸図録やカプセル見学会など多彩に用意されています。詳しくは
こちらのリンクをご覧ください。
プロジェクトの成果
前回のクラウドファンディングでは、目標を270%上回る資金を集め、全戸の実測調査や写真撮影を行い、記録保存にも成功しました。この成果は、プロジェクトに賛同する多くの専門家たちの協力によって実現したものです。
まとめ
解体された中銀カプセルタワービルから救出されたカプセルは、未来の「メタボリズム建築」の実現に向けた重要なステップとなっています。これからもA606プロジェクトは、カプセルの価値を再認識し、多くの人々にその存在を知ってもらう活動を続けていくことでしょう。