未来への扉を開く 企画展「蓬莱図をよむ」が盛岡で開催
2024年12月1日から2025年2月17日まで、盛岡市のもりおか歴史文化館にて企画展「蓬莱図をよむ -描かれた理想郷-」が開催されます。今回は中国の伝説に由来する「蓬莱」をテーマにしており、多くの人々が憧れる理想の仙境を探訪します。
蓬莱の風景と歴史
「蓬莱」とは、古代中国において不老不死の仙人たちが暮らす理想郷とされています。彼らが住む地に至ることは叶わず、近づくことすらできないという神秘的な伝承があります。特に、秦の始皇帝が不老不死の仙薬を求めて旅立った場所としても知られるこの地は、日本でも多くの伝説が残されています。
日本では、富士山や熱田、熊野周辺などが蓬莱のような存在として語られ、伝説が広がっています。人々の心に強く訴えるこの理想郷は、幸運の象徴としても受け入れられ、絵画や工芸品にしばしば登場します。本展でも、当館が所蔵する狩野林泉の《蓬莱図屏風》を中心に、蓬莱の伝説を紐解いていきます。
展示の見どころ
本展は《蓬莱図屏風》からスタートし、日本と中国の歴史書を通じて蓬莱に纏わる多様な視点を提示します。古典文学や辞書に見られる「蓬莱」の表現だけでなく、数多くの美術作品に描かれた蓬莱の姿を感じることができるでしょう。展示は主に以下の3つのセクションで構成されています。
1.
古典籍に見る蓬莱: 伝説の地、蓬莱がどこに位置するのか、また前近代の人々はどのように蓬莱を捉えていたのかを探ります。
2.
蓬莱を想う: 絵画や工芸品を通じて蓬莱の植生や住人についての解釈が示されます。
3.
蓬莱図屏風をよむ: 狩野林泉の屏風に描かれた動植物がどのように蓬莱を表現しているのかを読み解きます。
本展示は、豊富な資料を基に邪魔版の絵画や美術品と共に展示されるため、昔の人々が抱いていた理想郷への想いに触れることができます。
関連企画
さらに本展に関連するイベントも行われます。1月25日には、企画展担当の学芸員による講座「蓬莱図をよむ」が開催され、展示資料の解説が行われます。また、12月15日と2月11日には自由参加のギャラリートークも予定されています。これらの機会を通じて、展示に収まりきらなかった「蓬莱」についての深い理解が得られることでしょう。
お問い合わせ・アクセス
もりおか歴史文化館は盛岡城跡公園の一角に位置しており、アクセスも便利です。展示期間中は通常の開館時間が設定されており、一般300円・高校生200円・小中学生100円と利用しやすい料金設定がされています。ぜひこの機会に、歴史と美術が融合した「蓬莱」を体験しに足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しい情報は
もりおか歴史文化館の公式サイトで確認できます。