日本のEコマースサイト品質調査結果
最近発表された調査によると、日本のEコマースサイトの品質は多くの面で課題を抱えていることが判明しました。この調査は、日本国内の売上上位に位置する300社のEコマースサイトを対象に行われ、268サイトのデータが分析されました。
調査の概要
調査期間は2016年1月4日から22日の約3週間で、主にEコマースサイトのトップページに焦点を当てています。調査された項目は以下の通りです。
- - トップページのサイズ(容量)
- - トップページの接続ホスト数
- - トップページのTCPコネクション数
- - トップページの接続オーバーヘッド
- - トップページのオブジェクト数
- - トップページのHTMLバージョン
- - トップページのHTMLエラー数
- - Webサーバの種類
- - 一分あたりの売上額
調査結果のポイント
調査の結果、日本のEコマースサイトの平均ページ容量は3.6MBであり、世界の平均である2.2MBを大きく上回る「重厚長大」な状態が明らかになりました。これは、画像・JavaScript・CSSなどの外部要素が多く含まれていることが一因です。また、トップページの接続ホスト数が平均28ホスト、ネットワーク接続数は平均62接続となっており、これらの要素はサイトの遅延を引き起こす要因とされています。
さらに、HTMLエラーについても懸念が示されました。286のウェブサイトの中で、エラーが0だったサイトはわずか1サイトのみで、多くのサイトがHTMLの文法エラーを抱えています。
品質管理における課題
この調査から見えてくるのは、特に日本におけるIT品質管理の遅れです。先進諸国では、IT予算の35%が品質保証やテストに充てられているのに対し、日本ではその割合が大幅に少ないとされています。このため、Eコマースサイトの品質向上に向けた取り組みが必要です。
今後の展望
株式会社Spelldataによるこの調査は、日本のEコマースの現状を浮き彫りにしました。このような調査を通じて、多くの企業が自サイトの品質改善に取り組むことが期待されます。特に、速さや接続の容易さを向上させることが顧客体験を高め、売上向上に繋がることは間違いありません。
今後の日本のEコマース市場において、各企業がどのようにこの課題に取り組むのか、注目していきたいところです。