奄美佳南園が受賞した厚生労働大臣表彰優良賞
鹿児島県奄美市に所在する特別養護老人ホーム、奄美佳南園が先日、厚生労働大臣から「令和7年度介護職員の働きやすい職場環境づくり」の一環として優良賞を授与されました。この栄誉は、社会福祉法人聖隷福祉事業団が運営するこの施設の、介護職員の待遇改善や人材育成における優れた取り組みが評価された結果です。
受賞の背景
この表彰制度は、厚生労働省が令和5年度から導入したもので、介護業界全体の職場環境を改善することを目的としています。奄美佳南園は、介護ロボットやICT機器の導入、業務改善、人材育成を通じて、職員の負担を軽減し、より良い環境を整えています。
奄美佳南園の具体的な取り組み
生産性向上への取り組み
奄美佳南園では、介護リフトやミストシャワー、見守り機器などの最新の設備を導入し、職員の負担を軽くしています。また、障害者支援センターと連携し、障害者雇用を促進。具体的には、障害者にわかりやすいマニュアルを作り、清掃や洗濯、ベッドメイキングなどの業務を依頼しています。これにより、障害者雇用率は1%から4%に増加しました。
職員待遇の向上
年に一度の健康診断に加え、人間ドックの費用を法人が負担し、健康への意識を高めています。これにより、人間ドックの受診者数は1名から79名にまで増加しました。また、異常値が出た職員には面談を行い、早期の対応を行っています。
人材育成への取り組み
介護職員と看護職員向けにeラーニング研修システムを導入し、また職員の経験年数や指導実績を考慮して手当を支給しています。これにより、離職率は16%から8%に改善され、勤務時間も149時間から131時間へと削減されています。
職場環境改善のための多様な施策
奄美佳南園は、介護職における働きやすさの向上に努めるだけでなく、全事業団でのつながりを大切にし、松戸愛光園が同じ表彰を受けるなど、全体の取り組みが評価されています。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、職場のニーズに耳を傾けるシステムも導入。
未来への展望
奄美佳南園では、今後も職員が笑顔で働ける環境の整備に注力し、それが利用者の幸せにつながるよう活動を続けていく方針です。これからも業界全体の職場環境改善に寄与する一助となることでしょう。
組織概要
社会福祉法人聖隷福祉事業団は、静岡県浜松市を本拠地とし、全国的に様々な介護・福祉事業を展開しています。地域社会に貢献し続けるこの法人の理念は、「隣人愛」。
奄美佳南園の取り組みは他の施設にも影響を与え、より良い未来を築くための先駆けとなっています。