東レの新圧電ポリマー
2026-01-28 12:29:57

東レが開発した200℃以上耐熱性の圧電ポリマー材料の革新

東レの革新的な圧電ポリマー材料の開発



東レ株式会社は、驚くべき技術革新をもたらしました。それは、200℃以上でも圧電特性を維持できる新しい圧電ポリマー材料です。この新素材は、これまでの圧電ポリマーでは実現が難しかった高温下でも安定した性能を発揮し、様々な分野での利用が期待されています。

圧電材料の基礎知識


圧電材料とは、外部から力が加わることで電圧を生じる特性を持つ材料です。一般的に使用される素材には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)があります。PVDFは120℃以上の温度で圧電性を喪失してしまい、実際の使用温度の上限は約80℃ほどです。一方、無機材料のPZTは圧電特性が高いものの、硬く脆い特性があるため、複雑な形状や大面積での適用が難しいという難点もありました。

新しい圧電ポリマーの開発背景


近年、モビリティやロボット、産業機械、さらには航空・宇宙事業において、振動検出や監視センサーが欠かせない役割を果たしています。特に自動車やロボットでは、ロードノイズの制御や触覚としての振動検出が求められ、産業機械や航空宇宙分野では常時振動監視が重要視されています。これらの要求に応えるためには、安定した性能を持ち、広範囲にわたって振動を把握できる高温圧電材料が必要です。

本材料の特性


今回の圧電ポリマーは、東レが長年にわたり培ったポリマー分子設計技術と高次構造制御技術を活かして開発されています。特に注目すべきは、200℃以上でも分極構造が維持されるため、高温環境でも安定して圧電性能を発揮できる点です。この特性により、PVDFでは対応できなかったさまざまな高温アプリケーションでの利用が実現可能となりました。

さらに、この新材料はワニス、フィルム、不織布などの多様な形状で提供され、大面積のセンサーに適用できる柔軟性も持っています。また、環境への配慮から、鉛やフッ素を含まず、RoHS規制やPFAS規制にも適合する材料です。

今後の展望


東レはこの革新的な圧電ポリマー材料の実用化を2028年頃を目指しています。顧客向けにサンプル提供および評価を進めることで、実際の用途開拓に注力する計画です。さらに、同社は「有機合成化学」「高分子化学」「バイオテクノロジー」「ナノテクノロジー」といったコア技術を駆使し、より多様な革新素材の研究開発を推進し、社会に新しい価値を提供することを目指しています。

この圧電ポリマーの開発は、様々な産業分野における技術革新に寄与することが期待されており、特に未来の製品やサービスに大きな影響を及ぼすことでしょう。


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会社情報

会社名
東レ株式会社
住所
東京都中央区日本橋室町2-1-1日本橋三井タワー
電話番号
03-3245-5179

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