福山大学薬学部がAI「mimik」を導入
福山大学薬学部は、AIロールプレイトレーニングシステム「mimik」を導入し、薬学生の服薬指導トレーニングを革新しています。この取り組みは、2025年に開催された日本社会薬学会第43年会で発表され、注目を集めました。
背景と課題
薬学教育では、学生が実務に即した形で患者への服薬指導を行えるようにするため、模擬患者や薬剤師による評価が行われてきました。しかし、従来の方法にはいくつかの課題が存在しました。
一つは評価の公平性です。模擬患者や薬剤師の評価は主観的要素が入りがちで、学生にとっては公正なフィードバックが得られにくいという声もありました。また、学生が実習現場に入る前に自信を持つための十分な準備ができず、実習時にストレスを感じることも多かったのです。このような事情を踏まえ、福山大学薬学部はQualiagramが開発した「mimik」を導入し、その教育効果を検証することになりました。
研究概要と実施方法
研究は福山大学薬学部の4年生と5年生、合計108名を対象に行われました。学生は、服薬指導に関するシナリオを演じ、その様子をmimikが自動採点するという方法でトレーニングを行いました。mimikによる採点結果を、専門の模擬患者や薬剤師の評価と比較することで、AIの信頼性を検証しました。
主な結果
調査の結果、mimikによる評価は模擬患者や薬剤師の評価とほぼ一致する傾向が見られました。特に、AI評価によるフィードバックを通じて70%以上の学生が自らの成長を実感し、繰り返しトレーニングを行う中で評価への抵抗感も低下しました。自宅で、自分のペースで反復練習ができることで、OSCEや実習前のトレーニングとして非常に効果的であるとの評価も得られました。
教育的意義
mimikの導入により、学生たちは短時間でフィードバックを受け取ることができるため、学習効率が向上しました。また、現場に出る前に自信を深めることができ、実習の質が向上することが期待されています。この取り組みは、教育とAIの融合を図る新しい形のハイブリッド教育としての可能性も秘めています。
今後の展望
Qualiagramは、mimikを薬学教育にとどまらず、医療、介護、接客など多岐にわたる教育分野に展開を目指しています。今回の学会発表は、AI技術が大学教育の現場で高く評価される事例として、産学連携の拡大に寄与することが期待されます。さらなる教育現場での適用を進め、事業成長を図るとともに、社会的信頼性を高めていく考えです。
会社情報
株式会社ピアズ
- - 所在地:東京都港区港南2丁目16−4 品川グランドセントラルタワー 15F
- - 代表者:代表取締役社長桑野 隆司
- - 設立:2005年1月
- - URL:https://peers.jp/
株式会社Qualiagram
- - 所在地:東京都港区港南2丁目16−4 品川グランドセントラルタワー 15F
- - 代表者:代表取締役 吉井 雅己
- - 設立:2020年11月
富士フイルムシステムサービス株式会社
- - 所在地:東京都新宿区西新宿5-1-1新宿ファーストタワー 10F
- - 代表者:代表取締役社長高村勲
- - 設立:1988年9月21日