旭化成と産総研が連携し新たなサステナブルポリマー研究ラボを設立
2025年1月1日、旭化成株式会社と産業技術総合研究所(産総研)は、サステナビリティをテーマにした新しい研究施設「旭化成-産総研 サステナブルポリマー連携研究ラボ」を設立しました。この連携は、カーボンニュートラルの実現を目指す旭化成の取り組みの一環として位置付けられています。
バリューチェーン全体をカバーする取り組み
旭化成は、製品の原材料確保から製造プロセス、エネルギー利用、製品使用、そして回収まで、バリューチェーン全体にわたってサステナブルな開発に力を入れています。このような多面的なアプローチを実現するためには、オープンイノベーションを活用し、新しいアイデアや技術の創出が必要です。複数のステークホルダーとの連携を通じて、最適な解決策を迅速に社会に提供することを目指しています。
研究ラボ設立の背景と目的
サーキュラーエコノミーを実現するには、大学、研究機関、企業、さらには国家戦略との連動が不可欠です。この新たな研究ラボは、これらの多様な立場の人々が集まり、共創を促進する場としての役割を果たします。
特に、サステナブルポリマーを社会に提供するための新しいシステムが必要です。これにより、リサイクル技術の向上と、環境に優しい製品開発が進むことが期待されています。
本ラボの具体的な取り組み
本連携研究ラボでは、旭化成が培ったポリマー技術と、産総研の豊富な材料知識を活かして、特にリサイクル材の品質確保と、リサイクルしやすい製品デザイン向けの技術開発に焦点を当てています。具体的には、以下のようなプロジェクトが行われます。
1.
リサイクル材料の品質確保: リサイクル材の品質が課題となる中、グレーディングモデルケースを作成し、その品質を確保する方法を模索。
2.
易解体材料の開発: 再利用を促進するために、易解体接着剤(解体しやすい接着剤)の開発を推進しています。これによって、部品の再利用が可能になることが期待されています。
未来の展望
本ラボは、2025年1月から3年間設置されますが、その活動は短期間で終わるものではありません。リサイクル技術やサステナブルポリマーに関する知見を共有し、企業、学術機関、行政が協力していくことが重要です。
また、2024年には新たなバイオベース接着剤の開発が発表されており、今後の進展が非常に楽しみです。
このように、旭化成と産総研の連携は、サステナブルな社会の実現へ向けた重要な一歩となっています。今後の研究活動にも注目が集まります。