竹虎が伝統技術を継承し進化する鰻筌製作
竹材の製造卸として創業130年以上の歴史を持つ株式会社山岸竹材店、通称竹虎が、2025年の新たな取り組みとして若手職人を中心に鰻筌の製造を本格的にスタートしました。鰻筌(うけ)は、竹の柔軟性を活かした伝統的な漁具で、一度入った鰻が出られない構造が特長です。竹の特性に加え、現代のニーズに応える新しい製法への挑戦が注目を集めています。
若手職人の挑戦
竹虎では、熟練の職人たちから技術を学びながら、若手職人が中心となってこの鰻筌の製造に携わっています。特に注目すべきは、竹の表皮のみを使用した製法です。この新しいアプローチは、従来のように二番ヒゴや三番ヒゴといった内側部分を使用せず、長持ちする丈夫な鰻筌の製作を目指しています。この方法での製品は、材料の特性を最大限に活かしつつ、強度と耐久性を兼ね備えた鰻筌が実現するのです。
竹表皮の特性
竹の表皮は強靭でしなやかさがあるため、製品の品質を高める重要な要素となります。しかし、この部分を使った製法は、使用する竹が限られるためコストが高くなります。それでも、この方法を選択した背景には、若手職人たちの「良いものを作りたい」という信念があります。彼らの情熱が込められた製品には、他にはないオリジナリティと質の高さがあります。
完全手作業の鰻筌
鰻筌は、基準となる竹筒のサイズに合わせて一つひとつ手作業で編まれます。これにより、職人の技術が息づく製品が完成するのです。特に、片方に付けられる「エギ」や「コジタ」と呼ばれる仕掛けは、鰻が一方向にしか進めないよう工夫がされています。反対側は木や竹で栓をして使用する独特の構造が鰻釣りを支えています。
技術の継承と未来への取り組み
現在、日本全体で手仕事の高齢化が進む中、竹虎では若手職人への技術の継承と製品の改良を積極的に行っています。この取り組みは、地域の伝統技術を次世代に残すための重要なステップです。竹虎は、今後も地域に根差した伝統技術を維持しつつ、時代の変化に応じた品質向上を追求していくとしています。
さらに、2025年4月23日から新しい鰻筌が販売され、価格は税込7,700円となっており、品質を重視した製品が手に入ります。詳しくは、竹虎の公式ウェブサイトやYouTubeチャンネルで確認できます。
会社情報
竹虎株式会社山岸竹材店
- - 所在地: 高知県須崎市安和913-1
- - 代表取締役: 山岸 義浩
- - 創業年: 1894年(明治27年)
- - 資本金: 1,000万円
- - 事業内容: 特産虎斑竹をはじめとする各種竹細工の製造・販売
これからも、竹虎は地域の伝統を大切にしながら、新しい技術の開発に邁進していきます。