松かさ病研究
2025-10-17 10:57:23

松かさ病の原因究明に向けたキンギョ研究が進展

松かさ病研究の最新成果



最近、アクアリウム用品業界をリードするジェックス株式会社は、東海大学の泉庄太郎教授と共に、キンギョの病気である「松かさ病」の研究結果を発表しました。この発表は、令和7年度日本水産学会秋季大会で行われ、観賞魚飼育における重要な成果として注目を集めています。

松かさ病とは?



松かさ病は、キンギョの体表に見られる異常な症状で、体の鱗が開き、まるで松ぼっくりのような形状になる病気です。体の異常所見は、魚が弱っていく様子を示しています。治癒が難しいため、多くの愛好者がこの病気に頭を抱えています。松かさ病がどのように発症するのかの研究は、長らく進んでおらず、発症原因に関する詳細な理解も不足しています。

研究の背景と目的



観賞魚の分野では、市場規模が小さいことから、松かさ病に関する研究が少ない状況です。ジェックスはこの問題を打破するため、松かさ病の原因を特定するための調査および病理組織学的観察を進めてきました。特に、運動性エロモナス属細菌が原因として疑われていますが、具体的な菌種の確認には至っていません。

研究方法



奈良県の養魚場から松かさ病の発症したキンギョをサンプルとして取り上げ、解剖を行った後、筋肉や腎臓など各組織を観察しました。また、培地を用いて菌を単離し、16SrRNAシーケンス解析を実施することで、菌種を特定しました。これにより、キンギョの個体ごとに異なる菌種の同定が進みました。

研究結果の概要



観察の結果、運動性エロモナス属菌の一種、Aeromonas veroniiが多くの松かさ病キンギョの筋肉や腎臓から確認されました。ただし、同じ病気でもA. veroniiが確認できなかった場合もあり、さらなる研究の必要性が示唆されています。また、病理組織の観察では、鱗の基底部に浮腫が見られ、腎臓では異常が確認されました。卵巣や鰓でも異常が見つかっています。

図1:松かさ病を発症したランチュウの写真

今後の研究計画



今後は更なるサンプリングを行い、感染菌の特定に向けた研究を継続する予定です。また、水温や水質などの環境要因との関連性を調査し、松かさ病の予防や治療に役立つ製品の開発を目指していきます。

ローカルな研究から国際的に認められる成果を取り入れ、多くの水草や魚が健康で美しい状態で隣人や家族の癒しとなれるよう努めてまいります。これらの研究従事者や関係者の努力が、今後のキンギョ飼育において重要な役割を果たすことでしょう。

ジェックスは今後も、愛魚が病気にならないような製品開発に取り組み、水産業の発展に寄与できるよう努めてまいります。


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会社情報

会社名
ジェックス株式会社
住所
大阪府東大阪市今米1-14-5
電話番号
072-966-0053

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