日本IBM、SCSK、Red Hatが協力する新たなIT基盤
日本IBM、SCSK、Red Hatの三社が新たに連携を開始し、メインフレーム技術とクラウドネイティブ基盤を組み合わせたシステムのモダナイゼーションを推進するためのプラットフォームの構築を目指しています。この取り組みは、企業がデジタル・トランスフォーメーション(DX)を進める上で直面する課題を解決することを目的としており、特にAI技術や開発・運用の自動化を活用した効率的なITインフラの構築に焦点を当てています。
この基盤の目指すところは、柔軟性の高いシステム環境を提供することで、開発から運用までの工程を自動化し、開発の生産性を向上させることです。その結果、企業は運用コストやリスクを低減でき、IT人材不足といった現代の課題に対する効果的な対策を講じることが可能となります。
具体的なサービスと活用される技術
連携の一環として、主に以下のサービスや基盤を利用する予定です。
- - MF+: メインフレームのトランスフォーメーションをワンストップで実現するサービスで、既存ITインフラのハイブリッドクラウド環境への展開を効率よく進めます。
- - NebulaShift: 企業のITインフラやアプリケーションのモダナイゼーションを支えるクラウドネイティブ基盤です。
また、AI、コンテナ、仮想マシンなどのワークロードをシームレスに統合し、ライフサイクル全体にわたり管理業務を自動化するIBMのオートメーション製品群との連携も予定されています。これにより、CI/CD(継続的インテグレーションと継続的デリバリー)やITインフラストラクチャーの管理、セキュリティ対応の向上が図られ、またアジャイル開発で求められる即応性や柔軟性が得られるでしょう。
ニュースの発表に寄せて
この発表を受けて、SCSKの執行役員常務である小峰正樹氏は、「当基盤をもとに、安心・安定した基盤の運用自動化を進めていく」と述べ、日本企業のITインフラのモダナイゼーションをサポートする姿勢を示しました。また、Red Hatの三木雄平氏も同様に、「オープンソース技術を駆使して、日本企業のAI活用を支えていく」との意気込みを語っています。
今後の展望
この新しい基盤は、2024年11月に締結されたSCSKと日本IBMの戦略的パートナーシップの一環として位置付けられており、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境を提供することを目指しています。デジタルとAIの活用を図る中で、企業が柔軟に事業開発や変革に対応できるよう、最適なシステム環境を構築することが期待されています。
Red Hatが提供するOpenShiftやAnsible Automationの活用も含まれ、企業は新たなIT基盤を備えてデジタル時代のニーズに応えたいと考えています。これにより、モダナイゼーションに留まらず、先進的なビジネス価値の創出も実現することが見込まれています。