新たな3Dプリンター用金属粉末材料が石油・ガス産業に革新をもたらす
株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズは、EOS社製の金属3Dプリンターに特化した新しい金属粉末材料、EOS NickelAlloy IN718 APIとEOS Nickel NiCPの販売を2025年4月10日から開始します。これらの新素材は、特に石油・ガス産業や半導体産業での導入が期待されており、これまでにない優れた性能を提供することが見込まれています。
背景
近年、石油・ガス及び半導体産業では、厳しい環境下でも高い性能を発揮できる材料の需要が増しています。これに応えるため、EOS社は新たに2種類のニッケル材料を開発しました。これらの材料は、3Dプリンティング技術を駆使して高性能な部品製造を可能にします。特に、エネルギー効率の向上やコスト削減の点でも、注目されています。
EOS NickelAlloy IN718 APIの特徴
EOS NickelAlloy IN718 APIは、API 6ACRAの規格に準拠しており、石油・ガス産業が要求する厳しい基準を満たしています。この材料は、低温環境における高い強度と靭性、そして優れた耐食性を兼ね備えています。
- - 特性: 引張強度は878Mpa、伸び率は27%(熱処理後)で、極端な条件下でも優れたパフォーマンスを発揮します。
- - 用途: 石油・ガス掘削における配管、マニホールド、圧送装置、工業用ファスナーなどに使われます。
初期のテストでは、大手のフロー制御技術団体がこの材料を使用し、腐食環境に耐えるフロー制御部品を生産しています。その結果、API規格に沿った高強度の性能が実証されました。
EOS Nickel NiCPの特長
一方、EOS Nickel NiCPは、半導体製造や化学工業に最適なニッケル素材です。99%の純度を誇り、高い延性と耐食性が特徴です。
- - 特性: 引張強度は400MPaで、伸び率は49%の高い性能を持ち、厳しい化学的条件下にも対応可能です。
- - 用途: ガスインジェクターや半導体設備内での耐食部品に理想的です。
従来、化学的条件を克服するためには無電解ニッケルめっきが行われていましたが、EOS Nickel NiCPを用いることでこのめっき工程を不要にし、有害廃棄物を減少させ、部品の寿命も延びることが期待されています。
今後の展望
2025年4月から市場に投入されるEOS NickelAlloy IN718 APIおよびEOS Nickel NiCPは、進化した材料ポートフォリオの一翼を担うものとして大いに期待されています。NTTデータ ザムテクノロジーズは、各種ニーズに応えるため、様々な材料での造形や3Dプリント技術の導入に向けた試作・開発を進めていきます。
この新素材がもたらすイノベーションを活用し、さまざまな産業の未来を拓く可能性が広がっています。詳しい情報や具体的な要望がある方は、ぜひ当社にお問い合わせください。
参考リンク
EOS社公式サイト:
https://www.eos.info/ja
株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ - AMをものづくりのあたりまえに
公式ウェブサイト