日本初の多がん種早期検出試験「CRANE」始動、がんに立ち向かう新たな一歩
多がん種早期検出試験「CRANE」始動
2025年12月11日、日本のがんスクリーニングに新たな光が差し込むかもしれません。エグザクトサイエンスが国立がん研究センターと共同で進める多施設共同の観察研究「CRANE試験」が、ついに参加者の登録を開始しました。この研究は、日本国内で初めての大規模な多がん種早期検出(Multi Cancer Early Detection: MCED)検査の臨床性能評価を目指しています。
この試験の参加者は、がんの診断を受けた人々1,000人と、診断のない人々1,000人の合計約2,000人。試験の主な目的は、複数のがん種および病期を横断して、MCED検査の感度と特異度を評価し、日本人集団におけるその性能をより詳しく把握することです。
MCED検査の背景
エグザクトサイエンスが開発したMCED検査は、約10年間の研究開発の成果です。これまでも、世界有数の学術機関と協力しながら厳密な科学的検証がなされてきました。この検査は、Cancerguard®というブランド名で、アメリカでの商業提供が始まりました。
国立がん研究センター東病院の吉野孝之副院長は、「がんの早期発見は重要な課題」と述べ、このCRANE試験が新しい低侵襲な検査を実現するための重要なステップだと強調します。
一方、同センターの矢野友規消化管内視鏡科長も、「CRANE試験は、国内におけるMCED検査の重要な臨床データを提供し、新しい検診戦略の構築に向けた基盤を築く取り組み」と位置づけています。
CRANE試験への期待
エグザクトサイエンスのチーフメディカルオフィサーであるトム・ビアは、「MCED検査はがんの早期検出と介入の未来を再定義する力があります」と語り、国立がん研究センターとの協力が必要不可欠であると述べています。この試験を通じて、より早期ながん検出が可能になる未来が期待されています。
現在日本では、年間にがんと診断される人が98万人を超え、そのうち約38万人ががんで亡くなっています。がん検出が持つ重要性はますます高まっており、CRANE試験の実施は、平凡な検診から一歩進んだ新しいアプローチを提供するかもしれません。
まとめ
CRANE試験は、がんに対する新たな挑戦として位置づけられています。信頼性の高いデータを元に、日本人に適したがん検出方法と、新たながん検診戦略を構築することが期待されます。この試験が成功を収めれば、がん検出の未来が大きく変わる可能性があります。今後の進展に目が離せません。
会社情報
- 会社名
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エグザクトサイエンス株式会社
- 住所
- 東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー21階
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03-4540-7680