アボットの生体吸収性スキャフォールド、ABSORB試験で良好な結果を報告

アボット社が最近発表した報告によると、同社の生体吸収性スキャフォールド(BVS)に関するABSORB試験の結果は、期待を上回る良好な成績を示しました。この試験は、心血管疾患の治療法を革新する可能性を秘めており、特に血栓症や血行再建術の発生が認められないという結果が注目されています。

このプレスリリースは、2010年3月15日に米国で配信された内容を基にしており、アボットの本社はイリノイ州アボットパークに位置しています。ABSORB試験の第二相試験では、合計101名の患者が参加し、30日間の経過観察の結果、心血管イベントの発生率が非常に低く(MACE発生率は2.0%)、患者にとって有意義なデータが示されました。

オランダのエラスムス大学病院に所属するインターベンション学教授、パトリック・W・セライス氏は、「この良好な成績は、血流が回復した後にデバイスが体内で吸収される過程を示しています。これは心血管治療における新たな展開を意味します」と語っています。これにより、BVS技術に対する信頼が高まると同時に、将来的には心血管治療における新たな標準的な選択肢となる可能性が示唆されています。

ABSORB試験は、オーストラリア、ベルギー、デンマーク、フランス、オランダ、ニュージーランド、ポーランド、スイスなどで実施され、その主たる目的は生体吸収性スキャフォールドの安全性と有効性を評価することにあります。今回の判定は、30日間、6ヶ月、1年、さらには長期にわたる追跡研究を通じて行われる予定です。

生体吸収性スキャフォールドは、ポリラクチドという生体適合性を持つ材料で構成されており、体内での吸収が検証された技術です。BVSは、詰まった血管を拡張し、治癒するまで支えることを目的としています。心血管が本来の機能を回復した後は、スキャフォールドは体内で完全に分解され、安全に消失していきます。この過程は、最終的には治療を受けた血管が異物を留めることなく、健康な状態に戻ることを可能にします。

アボットのディビジョナル・バイス・プレジデントであり、最高医学責任者のチャールズ・A・サイモントン氏は、「この試験の結果は、当社のBVSが血栓症を回避しつつ血流を回復できることを実証しています。この結果は心血管治療における重要な臨床的意義を提示し、さらなる成功を期待させます」と述べています。

アボット社は、この分野において革新を続けており、BVSの臨床試験を通じて確固たる信頼関係を築いています。今後の研究成果は、冠動脈疾患の治療における新たな選択肢となるでしょう。今後の研究の進展に注目が集まります。

会社情報

会社名
アボット ジャパン株式会社
住所
東京都港区三田3-5-27住友不動産三田ツインビル西館
電話番号
03-4555-1000

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