国際周期表年2019:元素探求の旅
2019年は化学の歴史において、特に重要な年と言えます。それは、ロシアの化学者ドミトリ・メンデレーエフが元素の周期律を発見してから150周年となるからです。この記念すべき年には、国連とUNESCOが「国際周期表年2019(International Year of the Periodic Table of Chemical Elements 2019; IYPT2019)」を宣言しました。このイベントは、化学と元素への関心を高めることを目的としています。
新たな元素と周期表の完成
周期表は、化学者たちの元素探索の原点として非常に重要です。特に2016年には、新たにニホニウムを含む4つの新元素の名称が確定し、周期表の第7周期が完成しました。この完成は、化学の研究にとって新たな一歩となりました。
2018年12月4日、日本化学会は「国際周期表年2019実行委員会」を設立し、企画概要を発表しました。ウェブサイトも同時に公開され、情報を広く共有するためのプラットフォームが整いました。
国際周期表年2019ウェブサイト
プロジェクト「私たちの元素」
「私たちの元素」プロジェクトは、中学生から大学生までを対象にした企画です。このプロジェクトでは、学生たちが元素について学ぶ機会を提供します。特に「私たちの元素 エッセイコンテスト」では、118個の元素の中から1つを選び、その元素に関するエッセイを書くことが求められます。優れた作品は、各部門で表彰されることになっています。
応募は2019年の1月から始まり、1回目の締め切りは3月末、2回目は9月10日となっています。このエッセイコンテストを通じて、学生たちが化学の魅力に触れることを期待しています。
産学交流の場としての役割
「私たちの元素」企画の一環には「産学からのメッセージ」があり、大学や企業が自らの研究や活動に関連した元素について情報提供を行います。アカデミアや企業が選んだ元素に関するメッセージは、周期表の各元素をクリックすることで得られ、その成果や特徴を知ることができます。また、この取り組みは産業界と学術界の交流を促進することが狙いです。
特定の元素に関する広告も受け付けており、アカデミアのグループには1元素あたり10万円、産業界には30万円の掲載費が必要となります。これらの収益は、エッセイコンテストの運営や国際周期表年に関連したイベントに活用します。
予定されるイベント
国際周期表年には様々な行事が企画されています。例えば、2019年1月29日にパリで開会式が行われ、2月8日にはロシアでメンデレーエフの誕生日を祝うイベントが開催されます。また、国内でもシンポジウムが行われ、広朋的な交流が促進されます。
この特別な年を祝うためのイベント情報は、国際周期表年のウェブサイトにて随時更新されていく予定です。参加者は、様々なイベントを登録し、自身の活動を広めることができます。
結論
国際周期表年2019は、化学と元素に対する新たな視点を提供し、教育や研究の発展に寄与することを目指しています。メンデレーエフの発見から150年を掲げ、この記念すべき年を共に祝福していきましょう。