バルセロナの日本料理レストランがミシュランセレクテッド選出！

バルセロナの日本人シェフが魅せる新たなダイニング

バルセロナで注目を集めている日本人シェフ、桑原孝一氏が手掛けるレストラン「SCAPAR」が、開業からわずか10か月でミシュラン・セレクテッドとして選出されました。この快挙は、現代のグルメシーンにおいてのいかに多様な料理体験が可能であるかを象徴するものです。桑原氏の料理は、革新的な懐石料理の精神とスペイン・カタルーニャ地方の食文化を巧みに融合し、訪れる人々に「一口ごとの感情体験」を提供します。

SCAPARの独自性

「SCAPAR」の名前の由来は、それを訪れる人々が日常から逃避し、新しい感覚の旅に出ることから来ています。そのコンセプトは"Sensescape"、つまり五感の旅を重視した空間設計に表れています。シェフは料理を通じて、訪れる人々が音、香り、視覚、触覚、そして味覚の全てで旅を体験できるような環境を整えています。

注目の料理

ミシュランが特に評価したのは「Sea Game」と「豆乳プリンと柚子のジュレ」です。

- Sea Game: マグロを大胆に調理し、ラーメン出汁を用いたソースで仕上げた一皿。まるで肉のような重厚感と豊かな海の旨味を体験できる。
- 豆乳プリンと柚子のジュレ、湯葉、グレープフルーツ: このデザートは、複雑な食感と風味が口の中で絶妙にコラボし、和と地中海の調和を感じさせます。

カウンターでの体験

「SCAPAR」の魅力の一つは、カウンターでのライブ体験です。桑原シェフは、訪れる全てのゲストに直接語りかけ、その料理や使用する素材の背景を丁寧に紹介します。この形式は、訪れる人々に「おもてなしの芸術」とも言える体験を提供し、食の世界観を一層深める要素となっています。

シェフ桑原孝一の背景

桑原氏は、ミシュラン星を持つ「Dos Palillos」の元ヘッドシェフであり、エル・ブジでの経験を経て、豊かな料理哲学を持つ表現者とも言えるでしょう。彼は「SCAPAR」を通じて、日本の懐石料理とスペイン・カタルーニャの食文化を深く融合させる挑戦を行っており、このユニークな体験が評価された結果、ミシュランへの選出に繋がりました。

文化の対話としての料理

「SCAPAR」の最大の魅力は、料理を通じて異文化の対話を表現している点です。懐石料理の「流れ」や「間」を尊重しながら、スペイン特有の食材や技法を取り入れることで、緊張と緩和を巧みに組み合わせた料理を生み出しています。これが、一皿ごとに感情を動かすダイナミックな体験を創出し、国際的な食通から注目される理由です。

まとめ

バルセロナにオープンした「SCAPAR」は、シェフ桑原孝一氏のビジョンが具現化したレストランであり、懐石料理とスペイン料理の融合が見事に実現されています。開業からわずか10カ月で達成したミシュラン・セレクテッドという快挙は、食の新しい可能性を示すものと言えるでしょう。美食を愛する全ての方に、訪れる価値のある場所です。

- 名称: SCAPAR（エスカパール）
- 所在地: Carrer del Rector Ubach, 53, Sarrià-Sant Gervasi, 08021 Barcelona, スペイン
- オープン: 2024年7月
- ジャンル: 革新的な日本料理・懐石・体験型オマカセ
- Instagram: @scapar_arbo