2026年上期に見る東京オフィス移転市場の現状
三幸エステート株式会社が発表した「オフィスユーザーレポート」によれば、2026年上期の東京23区におけるオフィス需要の動向が明らかになりました。レポートは、特にオフィスの拡張移転DI(指数)に焦点を当て、企業の移転意欲や賃料の変動、そして業種ごとの動向を分析しています。
オフィス拡張移転DIのトレンド
まず注目すべきは、オフィス拡張移転DIの数値です。2026年第1四半期には76%という過去最高の値を記録しましたが、続く第2四半期にはマイナス13ポイントの63%にまで落ち込む結果となりました。この数値は、企業の拡張意欲を示しており、50%を上回ると拡張意欲が強いということを意味します。
この格差が生じた背景には、低空室率が影響しています。オフィスの空室率は1%台と非常に低く、広めのオフィスを希望するテナントにとって選択肢は限られつつあります。さらに、賃料や移転コストが上昇しているため、企業は立地やビルグレードを妥協せずに面積を削減し、コストを抑える傾向が強まっています。
業種別拡張移転ニーズ
続いて、業種別の移転状況を見ていくと、2026年上期における拡張移転の割合は、ほとんどの業種で新規・拡張移転が約70%を占めています。特に、情報通信業界では縮小移転が多く見られるものの、前向きな移転もあることが確認されています。企業の中には、AI時代を見据えてコミュニケーションを重視し、広めのオフィススペースを求める動きが活発化しているようです。
賃料の上昇
次に注目すべきは、募集賃料の対前年同月比です。大規模で築年数の少ないビルではプラス16.2%を記録し、前年比で大幅な増加を見せています。特に、30年以上の古いビルでも過去最高の値を記録しており、オフィス市場全体での賃料上昇が深刻化しています。この背景には、需給バランスの引き締まりと高品質オフィスの需要が影響していると見られます。
既存ビルの付加価値の向上を図るバリューアッド投資も増えており、今後も高品質なオフィスを求めるニーズは続くでしょう。そのため、賃料上昇も引き続き予想されます。
現在の状況と未来の見通し
現時点では、オフィス拡張移転DIが大幅に低下したものの、引き続きテナントのオフィス拡張意欲は強いです。業績が好調な企業は賃料負担能力が増しているため、賃料の上昇にも対応可能とされています。しかし、条件に合う物件が限られているため、一部の企業は移転計画を見直さざるを得なくなっています。今後は、立地や賃料、ビルのグレードなどのバランスをどのように取るかが重要なポイントとなるでしょう。
結論
2026年上期のオフィス移転市場は複雑な動向を示していますが、企業のオフィスに対する考え方は、コストではなく投資として捉えられるようになっています。これにより、企業はより戦略的にオフィス環境を整え、未来へ向かって進んでいくことが期待されます。
三幸エステート株式会社は、この新たなオフィスニーズに対応すべく、企業の戦略をサポートしていきます。