イケアが公開した「サステナビリティレポートFY24」と「クライメートレポートFY24」
スウェーデン発の多国籍ホームファニッシング企業、イケアは、余暇や生活空間を向上させることを目指し、地球と社会に対する責任を果たすためのサステナビリティ戦略を策定しています。2025年5月28日、イケア・ジャパン株式会社が発表する「サステナビリティレポートFY24(日本語版)」と「クライメートレポートFY24(日本語版)」は、その進捗状況と今後の取り組みを詳しくまとめています。
イケアのビジョンは「より快適な毎日を、より多くの方々に」であり、2030年までの目標は人々、地球、社会に対して前向きな影響を与えることです。具体的には、限られたリソースの中で快適な暮らしを実現するためのインスピレーションを提供し、その実現に向けた具体的な行動を取ることを目指しています。
2030年に向けた課題と取り組み
イケアは、以下の3つの重点分野に注力しています。
- - 健康的で持続可能な暮らし
- - 気候変動、生物多様性、サーキュラリティ
- - 公平性と平等性。
これに基づき、サステナビリティ戦略に対する目標とコミットメントを設定し、フランチャイズシステム全体での活動を進めています。
FY24の進捗状況
サステナビリティレポートによると、FY24のクライメートフットプリントは約21.3百万トンのCO2に相当し、FY23に比べ5%削減されました。また、FY16(基準年)と比較しても28%の削減が確認されています。これらの減少は再生可能エネルギー使用の増加、エネルギー効率の向上、輸送の電化によるものです。
特に、イケアはバリューチェーンの各プロセスで、原材料調達や製造段階での排出量削減に取り組んでおり、年間の製品に対する相対排出量は9%減っています。下流では販売量あたり34%の削減を達成しました。
サステナブルな原材料の調達
イケアの原材料は全体のクライメートフットプリントのほぼ半分を占めます。そのため、リサイクル素材を増加させ、新たな製品開発にも力を入れています。また、サプライヤーとの連携を通じて原材料のトレーサビリティを向上させることにも注力しており、環境への負担を最小限に抑える努力を行っています。
今後、イケアは2030年までに排出量を半減させるためのクライメートロードマップを策定中で、循環型デザインや責任ある素材調達が含まれています。
具体的な取り組みの実績
FY24では、再生可能エネルギーの使用率を71%、再生可能電力の割合を81%にまで引き上げることができました。また、新たに93の工場やサプライヤーが再生可能エネルギーを100%達成し、イケア全体の44%がこれを利用しています。
製品に関しても、例として昇降式デスク「ミッツォーン」では、高強度スチールを使用することで軽量化し、環境負荷を削減しています。さらに、家具買取制度により、15,888点の再利用が進められ、プラスチック使用の削減にも貢献しています。
地域貢献と今後の展望
イケアはFY24に社会的企業11社と提携し、10,000人に雇用を創出しました。これにより、地域の経済活性化にも寄与しています。
また、IKEA前橋は日本国内で初めてLEED GOLD®認証を取得し、持続可能な店舗運営のモデルケースとなっています。このように、イケアは単に商品を提供するだけでなく、社会全体を見据えた活動を展開しています。
サステナビリティレポートFY24とクライメートレポートFY24は、イケアの意志と行動が具体的な結果を伴っていることを明らかにしており、今後の持続可能な成長に向けた方向性を示しています。
サステナビリティレポートFY24
クライメートレポートFY24